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男性の読者に質問したい。もし、通りで声をかけた女性が自分のオカンだったらどうするだろうか? この場合「声をかけた」というのは、道を聞いたとか、時間を尋ねたとかそんな生温いものではない。「いいお胸してまんな〜」といったような、性的発言である。

「そもそもそんなこと言わない」という男性が大多数だろうが、「もし」という仮定で想像してみて欲しい。きっと、多くの男性は強烈な羞恥心を感じるはずだ。何ならその場で死刑になっても構わないレベル。穴があったら頭から全力でダイブしたい気持ちになるだろう。

そんな瞬間をとらえたYouTube の動画「Whistling At Your Mom」が、今話題になっているので紹介したい。その動画は、アップからわずか5日ほどで再生回数200万回を突破。現在大ヒット中である。

・2人の男性がターゲット

映像はペルーの首都リマで撮影されたもの。ターゲットは、セクハラ発言が多いと噂されている2人の男性。2人を懲らしめるべく、彼らのオカンが登場だ。オカンには企画の内容が打ち明けられ、協力に同意してもらった上で、バッチリとメイクが施された。ひと目でオカンであることがバレないように、変身したのである。

・1人目のターゲット

後は街中で仕掛けるのみ。超強力リーサルウェポン「偽装オカン」を、ターゲットに向けて発射するだけである。でも、本当にターゲットは声をかけるのだろうか? 動画を進めてみると……

「いいケツしているな」と男性が女性に声をかけるではないか! オカンとも知らず……。なんて哀れな男だ。直後に男性は「レンゾ!」と女性から名前を呼ばれ……後の展開は以下のような感じである。

・街中で修羅場

レンゾ:「ママ……」
オカン:「どうしたっていうのよ、レンゾ! 噂は本当だったのね」
レンゾ:「何が本当だよ……」
オカン:「あなたが女性に対して汚いことをしてるって話よ!」
レンゾ:「違うよ! 僕はそんなことしてないよ!」
オカン:「じゃあ違うって言うの! あなた自分自身に聞いてみなさい!」
レンゾ:「これはゲームなんだ」
オカン:「あなた自分の言っていることが分かってるの?」
〜中略〜
レンゾ:「違うよ、大学ではみんなこうして話かけるんだ」
オカン:「あなたがこんなことしているとは思わなかった、なんて皮肉なの!」

……このようにして修羅場は続き、レンゾはオカンのハンドバックでしばかれるという結末を迎えたのだった。

・2人目のターゲット

2人目も同様にヒット。この男性は、ちょっと太り気味の女性に対して、「ハロー、子豚ちゃん」と発言。すると、その女性が引き返してきて、ウィッグを取った……。

オ、オカン……! 後は1人目と同様に修羅場が繰り広げられるのだが、2人目がより悲惨なのは、その近くに会社の上司がいたということ。「僕は仕事中なんだよ」「もうすぐ上司が来るんだ」「上司に見られたらクビになっちゃうよ!」と叫ぶあたり、1人目よりも哀れな状況である。

・動画はフェイク

そして……ここで重大な発表がある。2つのケースとも、ガチかと思いきや……実は動画はフェイク。繰り返す、フェイクである。つまり上の、「セクハラ発言が多いと噂されている2人」もあくまでも設定であり、実際に2人がセクハラ野郎というわけではない。

「何でそんなことをするのか?」と思う人は少なくないだろう。実は、これには理由があるのだ。

・ペルーの性犯罪事情

動画によると、リマでは、10人の女性うち7人が街中でセクハラにあったことがあるのだとか。実に女性の70%である。そしてそんな現状を訴えたい、被害をなくしたいという気持ちから、このような企画が行われたらしい。

ちなみに、セクハラとは何も直接体に触れるような行為だけではない。日本労働組合総連合会によると、「性的な冗談を行ったり、からかったりする」こともセクハラとされており、「10人のうち7人」は言葉によるセクハラも含めた結果のようだ。

・絶大な動画インパクト

それにしても、動画のインパクトは満点。先述の通り動画が大ヒットしている点を考えると、企画は成功と言えるかもしれない。

参照元:YouTube日本労働組合総連合会CBCNEWS(英語)
執筆:和才雄一郎

▼こちらがその動画