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2015年は、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』にとって重要な年だ。主人公のマーティが、未来の息子のトラブルを食い止めるために、相棒のドクと共にタイムマシーンで2015年にやってくる……というストーリーなのだが、そこには80年代当時に考えられた未来の世界が描かれている。

そして、今、私たちがいるのが2015年……なら『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』の “未来” と “現実の2015年” を比較する絶好の機会ではないか! ということで今回は作品と現実の世界を比較し、「実現していること」と「実現していないこと」を紹介してみたい。

【実現していること】

まずは「実現していること」から見ていきたい。作品で描かれた様々な “未来的なこと” の内、大まかに12のことが実現しているようだ。

1:手だけを使わないゲーム
レトロ喫茶「カフェ80’s」に登場する子供たちによると、手を使って遊ぶゲームは「間抜けで、赤ちゃんのオモチャみたい」なのだとか。私たちの住む現実の2015年では、未だに手で遊ぶゲームは主流だ。しかし、Wii Sports や Xbox の kinect など、手以外の体全体を使って遊ぶゲームが人気なのも確か。

ちなみにこの子役の1人は、映画『ロード・オブ・ザ・リング』でフロド役を演じたイライジャ・ウッドである。

2:ホログラム
2015年でマーティがビックリしたのが、劇中に登場する映画『ジョーズ19』の飛び出すホログラム看板。「HOLOMAX」と書かれているので、ホログラム映画を上映しているようだ。現実の2015年では、ホログラムではなく3Dの映画が一般的だが、ホログラムのコンサートが行われたりと技術は進歩している。

3:テレビ
現在、多くのご家庭で使われている、大きな画面の薄型テレビ。そして、2015年のマーティの家にも、大きくて薄型のテレビが置かれている。また映画同様、複数のテレビチャンネルを同時に楽しむことも、実現済みだ。

4:タブレット
時計台を守るために、マーティに署名を求める初老の男性。彼が手にしているのは、タブレットではないか! 紙ではなくタブレットを使用した署名は、今後私たちの世界でも広がっていくだろうか?

5:フロリダのMLBチーム
作中の2015年MLBワールドシリーズで、シカゴ・カブスと対戦したのは、フロリダ州都市マイアミのチーム。しかし本作が公開された1989年当時、フロリダにMLBチームは存在しなかった。

その後、1993年にフロリダ・マリーンズ(現マイアミ・マリーンズ)が、1998年にタンパベイ・レイズが誕生したのである。

6:テレビ電話
2015年に大人のマーティが、テレビ電話で会話をするシーンがある。言わずもがな、現実の世界でも Skype や FaceTime などを使用して、相手の顔を見ながら会話することが可能だ。

7:メガネ型端末
マーティの子供たちが身に付けているメガネ型端末。映像を見たり、電話がかかってきたことが表示されたりするようだが、Google Glass 的なものだろうか?

8:空飛ぶ自動車
『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』の未来では、自動車が空を飛ぶ。作品で描かれたように “自動車がビュンビュンと空を飛ぶ社会” は実現していないが、Aero Mobil のように「空飛ぶ自動車」は開発されているのだ。

9:ホバーボード
空飛ぶスケボー「ホバーボード」! 現実の世界でも、磁力によってスケボーを浮き上がらせることに成功し、「ホバーボード」が完成している。有名プロスケートボーダー、トニー・ホークさんが試乗したことでも話題となった。

10:指紋認証システム
あちらの2015年では、「身元確認」から「家の鍵」、「支払い」まで、親指の指紋一つで済ませることが可能。現実では、まだここまで指紋に頼り切っていないが、2013年に当時のニューヨーク市長が「公共の住宅への指紋認証システム」を提案したりと、実際に指紋認証技術は向上しているようだ。

11:犬の散歩用ドローン
2015年にマーティが目にしたのは、ドローンによって散歩される犬の姿……。実はこれ、2014年にはすでに実現しているようだ。

12:自動靴ひも調整システム
先日NIKEは、「自動で靴ひもが締まるスニーカー」を2015年中に開発・販売すると発表した。すでに特許は取得されており、近い将来お目にかかることができるはず! という期待も込めて、「実現したもの」としてカウントしたい。

【実現しなかったこと】

「人間を逆さまにつるして、ギックリ腰を矯正する機械」や「ポケットを外にたらすのが流行」なんてことがまかり通っている『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』の2015年。ここでは7つの「実現しなかったこと」をあげてみたい。

1:『ジョーズ19』
あちらの2015年では、映画『ジョーズ』はシリーズ19作まで続いているようだ。しかし実際は第4作目でストップ。

2:サイズを自動で調整してくれる洋服
映画に登場した「サイズを自動で調整してくれる洋服」は、まだ実現していないようだ。しかも、瞬時に乾燥してくれるハイテクさである!

3:お天気 “予定” システム
作中の2015年の米気象庁は、かなり優秀。ドクが「あと5秒で雨が止むはずだ」と言ったとたん、その通りに雨がピタリと止むのである。どうやら “人間がお天気をコントロールしている” か、“秒単位での天気予報が可能になった” ようだが、現実の世界ではここまで天気を管理できていない。

4:乾燥ピザをレンジでチン!
2015年、乾燥ピザを楽しむマーティの家族。手のひらサイズに乾燥されたピザを機械に入れ、口頭で指示するだけで、フワッフワのピザに戻るのだ。ここまでの技術は実現していない!

5:「女性米大統領の誕生」と「ダイアナ妃の生存」
マーティが目にした2015年10月22日付けの新聞。そのヘッドラインをよく見てみると、あちらの世界では「米大統領が女性」であり、「ダイアナ妃が生存している」ことが分かる……。

6:ダブル・ネクタイ
『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』の2015年の “未来人” たちが着ている服装は、なんだか80年代の香りがする。なかでも有名なのが、「ダブル・ネクタイ」だろう。2本のネクタイを首から下げる人々。これは……現実の2015年では全く見かけないファッションだ!

7:弁護士制の廃止
作品の中の2015年では、裁判の迅速化を目的に「弁護士制」が廃止されている。そのためマーティの未来の息子が逮捕された後、2時間で裁判は終了。懲役15年という判決を受ける……と、そのトラブルを阻止するためにマーティたちは未来に乗り込んだのだった。

・カブスがワールドシリーズで勝利?

さて、最後に一つだけ「実現した」か「していない」か白黒つけられないことをご紹介したい。それが……「MLBプロ野球チーム、シカゴ・カブスのワールドシリーズ優勝」である。

作中の2015年では、ワールドシリーズで優勝したカブス。しかし今年、本物のカブスはそれを実現できるだろうか? この問いに多くの人が「難しいだろう」……と答えるはずだ。なぜなら、カブスがワールドシリーズに優勝したのは、1907年と1908年の2回だけ。リーグ優勝ですら、1945年が最後となっているからである……。

だから、1985年から未来にやってきたマーティもカブスの優勝に驚いたのだった。さて、例年通り10月に行われるワールドシリーズ。2015年、カブスの優勝は「実現した」「しなかった」どちらにカテゴライズされるだろうか?

ちなみに、マーティたちがやってきたのは2015年10月21日! あと約10カ月で私たちの世界は、どう変わっていくのだろう?

参照元:Den of Geekmental floss、Twitter @Back to the Future@Nice KicksGAWKERTHE WRAP(英語)
執筆:小千谷サチ

▼未来のゲーム機について子役時代のイライジャ・ウッドが語る場面

▼「空飛ぶ自動車」や「ジョーズ19」の看板など

▼薄型大画面でマルチスクリーンのテレビ

▼「乾燥ピザ」や「メガネ型端末」

▼憧れの空飛ぶデロリアン

▼これは現実の「空飛ぶ自動車」AeroMobile

▼こちらも実現した「ホバーボード」

▼NIKE が「自動で靴ひもが締まるスニーカー」を2015年中に開発・販売すると発表

▼2015年でマーティがかぶった帽子 実際に購入可能だ

▼ピザを解凍する機械

▼看板:「ここでホバーボードをしてはいけません」

▼カブスはワールドシリーズで優勝するだろうか