以前の記事、練馬あるあるにも登場した、光が丘(ライトヒル)の台所「大盛軒(たいせいけん)」。実は読み方を知らない人が意外といるかもしれないが……「おおもりけん」じゃない、「たいせいけん」だ!

地味な練馬の魅力をちょっとずつご紹介し、23区としての認知度を少しでも上げられたら……そんな思いから、今回は練馬あるあるのスピンオフとして、「大盛軒」より、私(筆者)も大好きな一番人気メニュー『広東麺』をご紹介!

・懐かしい黄色い番号札

大盛軒では、会計時にどこか見覚えのある小判型の黄色い番号札を渡される。そして、出来上がると「○○番さ〜んっ」と威勢よく呼んでくれるので、「ハイハイッ!ハ〜イ!」といってカウンターに取りに行くスタイルだ。人の番号が呼ばれるたびに、ついつい自分の札の番号を確認してしまいながら待つのも大盛軒の醍醐味である。

・中華アンが馴染んだスープがウマい広東麺

大盛軒のラーメンは、平たい中麺。そして広東麺はというと、オーソドックスな醤油ベースのラーメンに、とろみのついた甘めの中華アンがかかっている。このアンがイイのだ! 歯ごたえの残ったたっぷりの野菜と、豚バラ、干椎茸などのキノコ類……これらの旨味を含んだアンが、ベースのスープといい感じに溶け合っている。

このスープがたまらなく優しい美味しさで、また、とろみがついていてアッツアツ。寒い冬の日や、体調不良の時についつい欲してしまうような味わいと温かさなのである。普段ラーメンのスープは残してしまう私だが、広東麺のスープは飲み干してしまう。油で野菜や豚肉を炒めているので、全体的にはあっさりとこってりの中間、といったところだ。まさにちょうどいい!

・タレとの相性抜群の餃子

餃子は餡(あん)をお店で作っているらしく、普通に美味しい。野菜はかなり細かく刻まれていて、ニラの風味が強く活きている。なにより、タレとの相性がいい!  既製のタレだけで充分においしいのだが、カウンターには酢や醤油、ラー油が置いてあるので、さらにお好みで調節することもできる。

・大盛軒の本当の魅力

……と、ここまで述べておいて何なのだが、大盛軒はなにも、“特別絶品!!” というお店ではない。ただ普通に美味しいお店なだけである。──しかし!  そこなのだ。この光が丘の地で長年、住民たちの胃袋をつかんで離さない所以は、そこなのだ。特別に凝った味ではない。でも、どこにでもある味というわけでもない。

その味が、食べたくなったらいつでもそこにある。これこそが、大盛軒に感じる最大の魅力なのである。光が丘の住民にとって、とにかく身近な美味しさ。まさに地元の味。これが、大盛軒が長年地元に愛されている理由ではないかと思う。

・番外編:「おおもりけん」ではない

一方で、安定の人気ッぷりの割に名前の読み方が正しく浸透しきっていないという、「地元ならでは」な珍現象も。実は、ほぼ死角とも言える人目につきにくい場所に看板があった! しかも、ちゃんと読み方も書いてある……! 「タイ セイ ケン」と。お店の人に聞いてみると、実はかなり前からこの看板はあったよう。

ふりがなをふったのは、やはり「ここはおおもりけんっていうの?」というお客さんが多いからだそうだ! やっぱりねー! 今日から胸を張って呼ぼう。「たいせいけん」だ!

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 東京ラーメン大盛軒
住所 練馬区光が丘5-1-1 光が丘IMA B1F
時間 10:00~21:00 (L.O. 20:00)
休日 不定休(IMA専門店街に準ずる)

執筆:DEBUNEKO
Photo:RocketNews24.

▼死角に看板が!「タイ セイ ケン」。大盛軒 看板
▼「92番さ〜んっ」番号札
▼少なめ広東麺と餃子セット1000円。女性や少食の人にピッタリ少なめ広東麺と餃子
▼野菜たっぷり、濃厚なアンの絡みがたまらない。広東麺
▼ンマ〜イ!
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▼自慢の餃子。細かく刻まれた野菜の旨みがたっぷり
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▼お店の人のイチオシはコレ! 火焔湯麺……! 辛そう!!火焔湯麺