世界に衝撃を与えたピンクスライム肉が、ネット上に登場して物議を醸したのが2012年。ピンクスライムとは、家畜のエサに使われるはずのクズ同然の肉を、アンモニアで殺菌してミンチにしたものだ。そして、そんな恐ろし気な肉を使用していたとされるのが、米マクドナルド社だ。
それ以来、ピンクスラムのイメージが定着してしまったためか、悪いイメージを払しょくするべく、同社がチキンナゲットを製造する過程を動画で公開。大きな話題となっている動画は、「Our food. Your questions. What are McDonald’s Chicken McNuggets made of?」で確認できるぞ!
・チキンナゲットの製造工程を公開
話題の動画が撮影されたのは、マクドナルド(以下マクド)のチキンナゲットを製造している「Tyson Food Inc.」だ。ちなみに動画で司会を務めているのは、ディスカバリーチャンネルの超人気実験番組『怪しい伝説』の司会者グランド・イマハラである。
いきなりグランドが登場した時点で、筆者は “マクドよ、ビデオ製作に金をかけたな” と思ってしまった。
・「ナゲットにピンクスライムは使っていない」と断言!
そして工場に足を踏み入れた彼は、“これが聞きたくてしょうがなかったんだ!” とばかりに、すかさず本題に入った。タブレットに映し出されたピンクスライムの写真を見せながら、案内役のエイミーさんに「ネットで “マクドのチキンナゲット” って検索したら、この写真が出てくるんだけどコレは何!?」と質問を切り出したのだ。
すると彼女は、「その写真がどこから来たのか知らないけど、ナゲットには使われてないわ」と真剣な面持ちで答えるではないか! ええ~~!? そうなの?!! と誰もが思ってしまう瞬間である。
・手作業で鳥がさばかれていた!
「じゃあ、製造工程を見せて証明しましょう」と言う彼女に続いて、二人が工場の奥へ進むと、大勢の人が丁寧に手作業で鶏をさばいている。これにはグランドも驚きの様子で、さらにエイミーさんが、ナゲットに使用されている肉について説明を始めた。
・ナゲットに使われるのは、胸肉とリブに腰肉のみ
まな板に載っているのは、ドラムスティックと腿(もも)肉、胸肉にリブ、腰肉と皮だ。そして彼女の説明によると、ナゲットに使用されるのは胸肉とリブ、腰肉だけだという。これをひき肉にして、味を加えたものがナゲットになるというわけだ。動画を見る限り、100パーセント鶏肉しか使われていないようである。
・ナゲットの味付け材料もガッツリ公表!
続いて、ナゲットの味付けに使われている材料も公表されているので、以下に紹介しよう。
【しっとりさせるための材料】
水
リン酸ナトリウム
加工でん粉
【味付け材料】
塩
天然香料
小麦でん粉
ぶどう糖
クエン酸
酵母エキス
【保存料】
ローズマリーエキス
ベニバナ油
と、怪しい物は一切入ってない模様。
・ピンクスライムとは似ても似つかない肉
ひき肉と材料を全て混ぜ合わせた状態の肉は、悪名高きピンクスラムとは似ても似つかない。ピンクスライムの写真と見比べながら、グランドも「これは本物の肉に見えるもんな~」とコメント。
こうしてナゲットの形に型どられた肉に衣が付けられ、外側だけ軽くフライにされる。その後、パッケージに包装されて箱詰めされた物が、各店舗へ届くという仕組みだ。
・これからも疑問を投げかけ続けよう!
最後にグランドが、
「ピンクスライムや、チキンが丸ごと粉砕機に放り投げられるところを期待してたんじゃないかな!? この目で見て来たけど、マクドナルドが言うように、使われていたのは鶏肉だけだった。視聴者にしたら質問したいことが一杯あるかもしれないし、僕自身も聞きたいことがある。だから、これからも疑問を投げかけていってくれよ!」
と、何だか “あれ? 自分の目で見て来たのに100パーセントは信じてないの!?” といった印象を与えながら、うやむやな感じで締めくくっているのだった。
この動画を見て、マクドの主張を信じるも信じないもアナタ次第だ。筆者も、胸肉とリブに腰肉のみしか使わずに、どうやってナゲットの低価格を実現しているのか知りたいところである。
▼マクドナルドがチキンナゲットの製造工程を公開した動画はこちら
▼ピンクスライムの写真を見せながら「これは何!?」と案内役に訊ねるグランド
▼手作業で鳥がさばかれていた!
▼チキンナゲットに使われるのは、胸肉とリブに腰肉のみ
▼ピンクスライムと工場で撮影された肉を比較。似ても似つかない!