プロの世界で文章を書くようになってから、もう15年も経ってしまった。様々な雑誌でコラム連載してきたし、文章だけの本も何冊か出した。そして今こうして、ネットメディアに記事を書いている。そろそろ皆に文章を教えても良い頃だろう。本当は漫画家なのだが。

ということで今回から始まった『GO羽鳥のライター講座』、記念すべき第1回は、“どうしても上手く文章が書けない時は何をすべきか” 、要するに「煮詰まっちゃったときの打開策」だ。プロのライターを目指す人は、ぜひとも目を通していただきたい。

・偉大なる編集者からの教え「酒を飲め」

私も昔は、よく文章を書いている最中に煮詰まった。ロケットニュース24の部下たちも、フリーでライターをしてくれている仲間たちも、よく文章で煮詰まっている。そんな時、私は「酒でも飲んで、気持ちを切り替えてから書いてごらん」と助言をする。

この「酒を飲むとイイ」は、私が尊敬する偉大なる編集さんが、今から14年ほど前に教えてくれたアドバイスだ。雑誌連載のコラムで煮詰まっていた私に、「酒でも飲め。俺だって煮詰まった時は酒を飲んでいる」と、親身になって助言してくれたのである。

・カタい文章も柔らかく

たしかに酒を飲んだら気持ちが緩み、ガチガチにカタかった文章がマシュマロのように柔らかくなった。しかし、言い換えれば「テキトーになっただけ」であり、挙句の果てには眠くなる。かなりの確率で眠くなる。というより、最終的には爆睡しているのだ。

ハタチそこそこの若者ライターだったら、ビール2杯くらいでもフンバれる。しかし、30過ぎたら話は別だ。350mlの缶ビールを2本も飲んだら、「ちょっと5分だけ休憩」とベッドに入り、すやすやグッスリ夢の中、ハッと気がついたら翌朝だ。

「やべえ!」と叫んで飛び起きて、ハンパない集中力で一気に執筆。煮詰まるもクソも〆切は数時間後、悩んでいるヒマなんて1秒もないッ──といった修羅場的な状況になったりする。だが……結果として “書けている” のだ。悩み続けていたら無理だった。

結局のところ、偉大なる編集さんの助言の真意は、酒がどうこうではなく「寝ろ」ということなのかも。上手く文章が書けない時は「とっとと寝ろ」で、シャキっと気持ちを切り替えてから「書け」なのだ。……たぶん。それではみなさん、おやすみなさい。

執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.