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寒いときに食べる焼き芋は最高である。アツアツの焼き芋を頬張れば、心も身体も温まるというものだ。最近では移動販売を見かけることも少なくなったが、もしも「いしや~きいも~♪」という声が聞こえてきたら、すぐにでも駆け出すつもりという人もいるはず。

そんな焼き芋が、高級品の取り扱いで有名な、東京・銀座の三越伊勢丹で売られているのをご存知だろうか?  実は、地下2階のスイーツ売り場に店舗が存在しており、まるで高級品のように販売されている。とはいっても焼き芋なのだが、侮るなかれ! ここ、「ガトードゥチャイモン」の焼き芋は石焼にしただけでスイートポテトに匹敵する甘さとウマさ! 進化した焼き芋である。

・スイーツのなかに焼き芋

百貨店で焼き芋を見ると、何だか不思議な気持ちになる。なぜなら周りの店舗は、パティシエが腕によりをかけた、見た目も華やかなスイーツがショーケースを飾っているというのに、ここだけは無造作に芋が並んでいるだけだからだ。きれいに並べられてはいるものの、所詮芋である。

・3種の芋を購入

ところが、これを購入して食べてみたところ、上品なスイーツに匹敵する、いやそれを上回る美味しさだったのだ。私(記者)は、このお店で3種の芋をそれぞれ1本ずつ購入した。本当は4種売っていたのだが、お店の方が「これは甘くないですよ」と正直に教えてくれたので、以下の3本を購入した。

■七福芋

別名、白芋と呼ばれており、白い皮が特徴。購入した3本のなかで、一番しっかりとした食感をしている。しかし硬いということはなく、口のなかに入れると、ほどけるように溶けてなくなってしまう。甘さを控えた白あんを食べているようだ。

■甘蜜霧島紅かぐら

私が知るサツマイモとは、次元が違う芋である。ハイブリッド焼き芋と呼びたいくらいに、食感・味ともに洗練されている。芋そのものに粘りがあり、まるでクリームのように滑らかな口当たり。甘さは七福芋よりも若干控えめだ。

■甘蜜安納

これもまた従来の焼き芋とは全然違う、ハイブリッド焼き芋と言っていい。まずその見た目に驚く。半割りにすると、鮮やかなオレンジ色。紅芋のような赤さよりも、より黄色に近いオレンジ。口当たりは、甘蜜霧島紅かぐらを凌ぐ滑らかさで、これを素材にスイーツを作ることがムダに思える。なぜなら、焼くだけですでにスイーツとして完成しているからだ。割と重量感のある甘さ。

・温かい紅茶と一緒に

今回食べたどの芋も上品な味わいである。慣れ親しんだ焼き芋とは、ひと味もふた味も違い、移動販売しているものとは明らかに次元が異なる。繰り返しになるが、焼き芋にして焼き芋にあらず、高級スイーツのようだ。身体を温めるために食べるというよりも、暖かい場所で紅茶などを飲みながら食べるのが、ふさわしいだろう。

・包装は工夫してほしい

ちなみにここのお店では、購入した芋をビニール袋に入れてくれたのだが、これがあまりよろしくなかった。というのも、芋がかなり柔らかいので、袋ごとカバンに入れると、グチャグチャになる心配がある。また芋を包装紙で包んでくれるのだが、紙が芋に張り付きまくっている。包装に関しては改善してもらいたいと思った。

とにかく芋好きの人は、新次元のハイブリッド焼き芋にチャレンジしていただきたい。きっと衝撃を受けるぞ。

・今回訪問した店舗の情報

店名:cadeau de CHAIMON(ガトードゥチャイモン) 銀座三越店
住所:東京都中央区銀座4丁目6-16 銀座三越 地下2階
営業時間:10:30~20:00

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼焼き芋がショーケースに並んでいること自体に、ビックリしてしまう
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▼3種類の芋を購入。この紙の包装があまり良くなく、芋が張り付いてしまう。違うもので包装して欲しい
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▼焼き芋に商品ラベル。なんか不思議な感じ
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▼「白芋」と呼ばれる七福芋
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▼しっとりとした口当たり。控えめなホクホク感
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▼甘蜜霧島紅かぐら
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▼芋がとても柔らかいので、手で割るとこうなる。芋の蜜で手がベタベタになるので、包丁でカットしよう
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▼甘蜜安納
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▼こちらも柔らかいので、半割りにしたらスプーンかフォークで食べよう
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