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親孝行とはなんなのだろうか? 具体的にどうすれば親孝行になるのだろうか? かつてダウンタウンの松本人志さんが「親孝行って何? って考える。でもそれを考えようとすることが親孝行なのかもしれない」と話していた。当時は「なるほどー」と感心したのだが……。

数年後、私(筆者)の母が他界してから考えが改まった。そんな立場から、親御さんがご存命の人には「コテコテの親孝行」をオススメしたい。もちろん親御さんのために……。何より自分のために、である。

・普段からメチャメチャ仲が良かった

私事で恐縮だが、ざっくりと私の親子関係について説明したい。自分で言うのは何だが、母とはかなり仲が良かった。もしかしたら当時住んでいた千葉県で一番仲が良かったかもしれない。母の日や誕生日には必ず贈り物をしたし、実家暮らしだったので毎日顔を合わせていた。

結局母は癌で亡くなったのだが、約4年間の闘病生活中、入院しているときは1分しか面会できない時でも、1日も欠かさず見舞いに訪れた。傍から見ればかなりの「孝行息子」に見えただろうし、実際多くの人にそう言われた。だがしかし……。それでも私は「もっと親孝行しておけばよかった」と後悔している。

・いちばん後悔していること

最大の後悔は「あからさまな思い出」を作らなかったことだ。普段の生活ではかなり円満な親子関係だったが、それが一番大切だと考えていた私は、ある程度の年齢になってから母と旅行をしたり食事以外で出かけたりはしなかった。今思えば、これは間違っていた。

もちろん、普段の生活の中で仲良くすることが一番大切であると今でも思っている。ただ、それは当たり前の日常すぎて強く思い出に残りづらい。もっと「○○に行ったねー」とか「△△で迷子になったねー」などと、印象に残りやすいことをしておけばよかったと思うのだ。

・1年に1回でいい

そこで提案である。1年に1回でいいから旅行に行くことをオススメする。近場の温泉に1泊でいい。泊りが厳しいのなら日帰りでもいい。家族全員で旅行に出かけよう。思い出に残ることはもちろん、そこで撮影した写真などもいつかきっとあなたの慰めになるはずだ。

なんなら日帰りバスツアーでもいいし、テーマパークでもいい。「普段は絶対に行かない」「行こうとしないと行けない」場所に出かけることが重要である。その際、1年に1回なのだから気持ちよく全額負担しよう。今まであなたを育てるのにかかった費用に比べれば大した額ではないハズだ。

・先延ばしはせずに

幸い父は存命なので、最近は年に1度家族で旅行に出かけている。病気を患ったりすると行動範囲が急激に狭くなるし、最悪出かけることも出来なくなる。「まだ大丈夫」「いずれそのうち」と思っては絶対いけない。それこそ「いつやるの?」「イマデショーーーッ!!」である。

ことわざに「孝行のしたい時分に親はなし」とあるが、漠然とでも「親孝行したいなー」と思っている人は多いはずだ。でも方法がわからない、気恥ずかしいという人の参考になれば幸いだ。真正面からコテコテでミエミエの親孝行をオススメしたい。

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.