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常に心に留め、人生の指標となる言葉 “座右の銘” 。真実が秘められ、誰かの人生を変える力を持っている特別な言葉だ。

「俺にとって大切な言葉はね……」などと、飲み屋で語られることも多いこの話題だが、海外サイト Reddit でも「私の人生を変えた一言」と題されて、様々な言葉とそれにまつわるエピソードが集められていた。そこで今回は、その中から興味深いものをいくつかピックアップして紹介したい。

1:後悔するよりも、同じ失敗を繰り返さないこと

試験に落ちて大泣きしている私に、父がこう言ってくれた。「後悔はするな。時は決して戻せないのだから、何か失敗しても “ああすれば良かった” と後悔するな。ただ、同じ過ちは繰り返さないことだけを自分に言い聞かせろ」。

2:“正しい” 相手

僕がまだ若かった頃、当時真剣におつきあいしていた彼女がいた。でも、「自分にとって “正しい相手” を見つけたい」からと、別れを告げた。すると彼女は「誰だって “正しい相手” を探すもの。でも、自分から “正しい相手” になろうとする人は誰もいないものね」と返された。この一言で、僕は “正しい相手探し” を卒業した。

3:「怖くてもやらなくちゃ」

13歳だった私は、プールで6歳の妹に泳ぎのレッスンをしていた。でも妹は水を怖がって、ずっと「怖い!怖い!」と叫んでいた。すると、75歳くらいの女性がそばに寄ってきてこう言ったの。

「怖いなら、怖がったままでいい! それでもやらなきゃいけないことがあるのよ!」とね。もう35年前のことだけど、今でも鮮明に覚えている一言。

4:自分の気持ちよりも大切なこと

母が命の危機に瀕して、私がとても不安定な状態だったとき。ある友達が「すごく不安なのはとてもよく分かる。でも、あなたのお母さんの前では取り乱してはダメよ」と言ってくれた。友人の一言のおかげで、自分の気持ちよりも大切にしなければならないことがあるのだと分かった。今でもこの言葉を思い出すと、どんなときだって冷静になれる。

5:長男という立場

僕は長男で、弟と妹がいる。僕がまだ14歳だったとき、父からこう言われたんだ。「この家でお前が下した決断は、3回の結果となって返ってくる。お前の背中を見た弟と妹が、同じ決定を下すからだ。そしてお前の弟への接し方は、そのまま弟が妹に接する態度になる」。

父のこの言葉で、“背中を見て育つ” という言葉を痛感し、長男としての立場を強く意識するようになった。

6:「いずれにせよ君は年をとる」

私が38歳だった時、あることを学ぼうと大学に通いたいと思った。しかし、入学するには年をとりすぎているとの迷いもあった。すると1人の友人が、「大学に入学しなくても、君はまた年をとる。でも、学位は取れないままだ」と言ってくれた。

あれから20年経った今、あの時に大学に通ったことで職も見つけられ、食うに困らない生活を送ることができている。

7:不安な気持ちと仲よく

親友が言ってくれた言葉:「不安な状態の中で、いかに心地よく過ごすかが重要なんだよ」。

8:「なぜ解雇しなければならないんだい?」

僕の上司の話だ。かつて彼は研究所で働いていた。ある日、ちょっとしたミスで2500万円もする高価な機械をぶっ壊してしまい、彼は解雇を覚悟したという。そして、上司から呼び出しがあった。確認を怠った経緯を確認され、次からは気を付けるようにとの注意があった後、仕事に戻るように言い渡された。

ビックリした彼が「クビにはならないんですか?」と聞いたところ、上司からこんな言葉をかけられたという。「なにバカなこと言っているんだ。君に2500万円分のレッスンを与えたところじゃないか。君は今回の教訓を決して忘れないだろう。なら、なぜ解雇しなければならないんだい?」と。プロフェッショナルな決定に、感情は挟まれていなかった。

9:「年をとることは……」

僕の父親は、地域の老人の家を訪ねる活動を行っている。ある日、父が忙しかったので、高校生だった僕が代わりにお年寄りの家を訪ねることになった。沢山のお年寄りと触れ合うなか、1人の男性の言葉が忘れられない。「年を取ることで一番キツイのは、自分を理解してくれる人が徐々にいなくなっていくことだ」。

10:差し伸べられた手を断ってはならない

ある日、父が僕と弟に1ドルずつくれた。しかし僕は、「1ドルなんて、いらないよ」と小バカにした態度をとってしまったんだ。すると、父は怒りをあらわにしてこう言ったんだ。

「今後は、他人からの申し出を二度と断るな。もしかしたらその人は、持っているもの全てを差し出してくれたのかもしれない。それを断るなんて、最低に失礼なことだ」。この言葉を聞いて、僕は自分の行いを恥じた。

11:自分を犠牲にしなくても

私は小さな頃から両親のゴタゴタに振り回され、入退院を繰り返す友人の心配をしてきた。だから、人生の大半の時間を、周囲の人に尽くしてはボロボロな状態になっていた。でも、「他人を温めるために、自分の体に火をつける必要はない」という言葉を聞いて、自分のことを優先してもいいんだと初めて思えるようになった。

12:「あなたの体がある場所に、魂を込めなさい」

「あなたの体がある場所に、魂を込めなさい」。これは、この世にはもういない祖母が残してくれた言葉だ。要は、“今を生きなさい” という意味だが、簡単そうに見えても、実践するのは結構難しい。物事に注意深くある上で、心に留めておかなければならないことを簡潔に言い表していると思う。

13:「君は礼儀正しいね」

大学生の時、友人から「君は礼儀正しいね」と言われた。それまで、よく “神経質だ” と言われてきた僕は、この言葉をすごくありがたく受け取った。自分自身を肯定できたような気がした。

14:他人の笑顔のために

私が6歳だった頃、父とアイスクリーム屋さんに行った。長い行列に並びながら順番を待っていると、父はどこかにいってしまった。私は、自分の順番が近づいてくるのを見ながら、落ち着きなく父を待っていた。「あと1人で私の番だ! お父さんどこ!?」と思っていると、1つ前でアイスを買っていた男性が急に振り返って、私にアイスを手渡してくれた。

その時、ちょうど父も帰ってきて、私たちはもらったアイスに感謝しながらも、戸惑ってその理由を聞いた。すると、男性は「自分のために1ドル使うよりも、10ドル使って誰かを笑顔にした方がずっと価値があるからね」と答えた。

父はその親切に本当に感動して、目には涙をためながらお礼を言った。男性の温かさと、父の感動した姿と共に、この言葉は私の中に深く刻まれている。

15:何だっていい面はある

僕が乗るバスは、よく踏切で何本もの列車が行きすぎるのを待たなければならない。だから僕はいつもウンザリしていた。ところが、ある日タイミングよく踏切待ちをしなくてもいい日があったんだ。僕が「良かった!」と嬉しく思ったその時、後ろに座っていた親子の会話が耳に入ってハッとした。

「残念ね。今日は電車見られなかったわね」。その言葉で僕は、“どんな物事だって楽しもうと思えば楽しむことができる” ということに気がついた。

16:ペットにとって飼い主が全て

「自分のペットを大切に扱うこと。ペットたちはあなたの人生にとっては、たった数年~十数年を一緒に過ごすだけの存在かもしれない。けれど、動物たちにとっては飼い主のあなたが全てなんだから」

17:信仰とは

子供のころ、僕は真剣に神を信じていた。でも、ある女の子が「正しい宗教を信仰している家族の元に産まれて幸せだ」と言うのを聞いて、信仰に対してに疑問を抱くようになった。“正しい信仰” ってなんだ? って思ってね。ちなみに今では無神論者だよ。

18:ダメ、絶対!

「覚せい剤を試してみなよ。絶対、気にいるから!」。この言葉で、僕の人生は変わってしまった……。

19:人のことをバカにするな

ある日、窓の外を見ていたら、1人の女性が雑草を食べていた。僕はそんな彼女を見て、思わずバカにした感じで笑ってしまったんだ。すると、父は激怒しながらこう言った。

「笑うな! お前には心がないのか? お前は、あの女性のことを、何一つ知らないじゃないか。なぜ彼女が今の状況にいるのか、これっぽっちも知らないじゃないか!」とね。僕は、その言葉に打ちのめされた。以来、他人をジャッジしそうになったら、この言葉を思い出しては自分自身を戒めている。

20:どんなに痛みを伴っても

友人の5歳の子供が亡くなった。父親が目を離したすきに、テレビの下敷きになって命を落としたのだ。家族はもうボロボロで、父親は罪の意識にさいなまれて本当に苦しそうだった。そんな彼らの姿を目の当たりにした私は、自分に子供が育てられるか、そんな悲しみを受け止められるか自信がなくなってしまった。

それで、「子供は持たないかも」と自分の父親に話してみた。私の父は、堅物であまり感情を表さない人物なんだけど、そんな彼がこう言ったんだ。「人生の中で、ほんの一瞬でもお前と過ごすことができれば、どれだけの痛みが伴おうともその価値はある」と。父の愛に触れたことで、子供を持つ怖さはなくなった。

参照元:Reddit(英語)
執筆:小千谷サチ
Photo:RocketNews24.