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世のため人のために何かしたい! そんな気持ちを抱きつつも、具体的にどうすればいいか分からない人も多いのではないだろうか? しかし、自分の趣味・特技などで助けられることもあるようだ。

そう教えてくれるのが、今回のお話。空の上から現れては、窮地に陥った犬たちを助けてまわる集団がいるというのだ! 実はこの活動、“飛行機の操縦” という特技から始まったのである。

・飛行機好きから生まれた動物保護

毎週末、米ピッツバーグのアレゲニー郡飛行場を飛び立つ飛行機がある。それが、ブラッド・チャイルズさんとジョナサン・プレセットさんが設立した「ピッツバーグ航空動物レスキューチーム(以下、PAART)」!

2006年、航空ライセンスを取得したばかりのころ、2人はただ純粋に飛行機を操縦する楽しさを味わっていた。しかし今では、劣悪な環境に苦しむ動物たちのもとに、飛行機に乗って助けに駆けつけるヒーロー活動を行っているのだ!

・きっかけは1匹のブルドッグの救助から

活動のキッカケとなったのが、モンテという名の1匹の耳の聞こえないアメリカン・ブルドッグ。

チャイルズさんは、友人に頼まれて飛行機でモンテの救助に向かったのだが、助け出したモンテの姿を見て、他にも多くの動物が同様に助けを求めていることを痛感。この経験から、飛行機に乗って、もっと動物たちを助けていこうと決意したのだった。

・これまでに600頭もの犬たちを助けてきた

そして、親友のプレッセントさんを誘って設立した「PAART」は、これまでに600頭もの犬たちを助けてきたという。機能を果たさなくなったシェルターや闘犬の飼育場などの、悪環境に飛行機で乗り付けては、犬たちを救い出し、あらかじめ用意しておいたシェルターに運ぶのだ。

なかには危険な場所もあり、虐待現場に無理矢理押し入って犬を救ったこともあるのだとか。今では彼らの活動に賛同するスタッフの数も増え、毎週末多くの犬を救いまくっている。

・サイトではレスキューリクエストを受け付けている

もちろん犬だけでなく、様々な動物を助けるために活動を行う「PAART」は、ウェブサイトでレスキューのリクエストを受け付けている。ちなみに、飛行機に載せられる重量は約137kg以内が目安となっており、距離や天気、悪天候時のバックアッププラン、行き先など様々な点を考慮する必要があるという。

誰かのために何かをやることは、容易ではない。しかし、“やりがい” という武器を手に入れれば、大変さなんてどうでもよくなってしまうものだ。楽しんで、やりがいを持って誰かのヒーローになれるなんて、本当に素晴らしいこと! 実は、ヒーローって誰だってなれるものなのかもしれない。

参照元:Pittsburgh Aviation Animal Rescue TeamFacebookCBS Pittsburgh (英語)
執筆:小千谷サチ

▼これが活動のキッカケとなったモンテ

▼これまで行われたレスキューの様子

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▼真ん中の2人がブラッド・チャイルズさんとジョナサン・プレセットさん

▼団体のオフィシャル映像