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男性にとって、パートナーの女性から聞かされるあるゆる言葉の中で最も衝撃が強いものといえば、文句なしに「赤ちゃん、出来たみたい」である。その言葉を聞いた途端、嬉しさのあまり涙を流す男性は少なくない。一方、全く正反対の気持ちから泣く人もいる……。とにかく、尋常ではないパンチ力(りょく)を秘めた言葉、それが「赤ちゃん、出来たみたい」である。

その言葉を、女性が自分の好きな男性を繋ぎ止めるために悪用、つまり、妊娠したと偽るのはよく聞く話だ。だがしかし……。現在海外で話題になっている女性の嘘はあまりに酷い! 嘘に嘘を上塗りして、相手の家族まで巻き込んだ悲劇を引き起こしたのだ。

・一夜限りの関係から全てが始まる

海外サイトが報じている事件の概要は以下の通り。問題の女性の名前は、シャーメイン・ウィルソンさん。彼女はイギリス・ウェールズはブリジェンの病院に勤務する25歳の看護師だ。ウィルソンさんが相手の男性、リアム・グリフィスさんと出会ったのは、2012年のこと。そして2人は一夜を共にした。いわゆるワンナイトラブというやつである。

ここだけ聞くと、男性読者の中には「何それ!? マジで! 超羨ましいんですけど!」と思う人もいるかもしれない。……ところが! そんな甘いものではなかったのである。しばらくして、ウイルソンさんはグリフィスさんに最初のウソをつく。「妊娠したみたい」……。

・男性は電話番号を変える

ウソの妊娠報告を聞いて、グリフィスさんがどれほど衝撃を受けたのか? それは分からないが、その後2人がどのような関係になったのかは明らかになっている。看護師のウィルソンさんは、グリフィスさんにSNS上で頻繁に絡むようになり、グリフィスさんは、ウィルソンさんをブロック。最終的に、グリフィスさんは電話番号まで変えたのである。

それから2人は二度と会わないはずだった。が……! 運命のいたずらか、2人は再会した。その時に受けたグリフィスさんの衝撃は、「妊娠したみたい」と言われた時の比ではないだろう。

・祖父の死で病院に行くと……

再会のきっかけは、グリフィスさんの祖父の死。昨年のことだそうだ。祖父の死に際して彼は自身の母親と病院へ……。しかし、その病院こそが、2012年に一夜を共にした看護師、ウイルソンさんの勤める病院だったのだ。この機会をウィルソンさんが逃すはずがなかった。

彼女は小さな男の子を抱いて、グリフィスさんに近づいていった。「この子はあなたの子よ!」と。その場に居合わせたグリフィスさんの母親にも「あなたの孫」と言ったのだとか。だがそれは真っ赤なウソ。ウィルソンさんが腕に抱いていた幼児は、彼女の友人の子供だったのである。

・DNA検査の結果

グリフィスさんは彼女の言葉に疑いを抱いたようだ。そして検査を要求……ここでウィルソンさんは看護師の立場を悪用する。DNA検査の結果、及び出生証明書を改ざんしたのである。

……こうして、グリフィスさんは受け入れざるを得なくなった。その子供が自分の子供であることを。彼は子供の父親になる決心を固めた。

・グリフィスさん一家を巻き込む

だがこれはグリフィスさんだけの問題ではない。彼の家族にとって大事件である。なんといっても、彼の両親からすれば、突然、孫と息子の嫁が出来たのだから。彼女の母親は、ウィルソンさんに車をプレゼントした。一家揃って、新しい家族を受け入れる準備をしたのだ。

・Facebookで嘘がバレる

その6カ月後。グリフィスさんは、その子供と一緒の写真をFacebookにアップした。すると……「その子はあなたの子ではない」との情報が……! こうして真実が明るみに出た。DNA検査結果の改ざんまでしたウィルソンさんは逮捕。彼女は自分が嘘をついたことを認めており、4カ月間刑務所に収監されることになったとのこと。

ウィルソンさんは「嘘が雪だるま式に膨らんで行き、歯止めが効かなくなった」と語っているようだ。ちなみに、男の子は「グリフィスさんが父親」と信じ込まされていたらしい。

・すでに少年を家族として愛していた男性とその家族

だが、逮捕で全てが終わるわけではない。この時すでに、グリフィスさんとその家族は、男の子を自分の子供、孫だと信じ、愛していたのである。真実を知って「何日間も泣き続けた」と言うグリフィスさんの母親はこう語っている。

「1人の人間がこのようなやり方で人を欺くなんて、何て恐ろしいのでしょう。それによって私たちの家族がどれだけ傷つき、苦しんだか……私には言葉が見当たりません」

突然、自分の子供が出来たと思ったら、6カ月後に自分の子供ではなかったと知らされる──なんという悲劇だろうか。グリフィスさんとウィルソンさんの一夜限りの関係は、あまりに多くの人に不幸をもたらしたと言えるだろう。

参照元:FacebookMirror NewsMetro(英語)
執筆:和才雄一郎

▼こちらがウソとついた女性、シャーメイン・ウィルソンさん