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もしも「芸名と本名のギャップランキング」があったとしたら、おそらくベスト3に入るのが、通称「アジャ様」こと女子プロレスラーのアジャ・コングであろう。彼女の本名が宍戸 江利花(ししど えりか)であることは常識中の常識だ。

それはさておき、そんなアジャ様のことが好きで好きでしょうがなかった中〜高校生時代の私(筆者)は、ヒマさえあれば目黒にある全日本女子プロレス事務所の付近をウロウロと徘徊し、2ショット写真を撮るチャンスを狙っていた。

そしてついに……偶然「街でバッタリとアジャ・コング」の瞬間がやってきた!

──完全に出待ちしているので偶然もクソもないのだが、私が待機していたのは全日本女子プロレス事務所近くの某コンビニ。

50ccのスクーターでコンビニに向かうアジャ様が、「パパーン」と甲高い2ストエンジンの音と共に急接近してきたのだ。そのスクーターはアジャ様の体型に対して、あまりにも小さく見えた。まるで器用に自転車を操縦するサーカスのクマのようだ。

しかもアジャ様の顔面はシールド付きのフルフェイスヘルメットで覆われており、なんというか「宇宙飛行士」みたいなシルエットになっている。このまま映画『マッドマックス2』に出演しても違和感のない、圧倒的な “強さのオーラ” を私は感じた。

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しかし、ここまできてビビってる場合ではない。「ガコンッ」とスクーターのセンタースタンドを立たせるアジャ様に対し、私は「あの、すみません! 一緒に写真すみませんっ!」と、まるで全日本女子プロレス練習生のようなスミマセン口調で話しかけた。

するとアジャ様はフルフェイスのシールドを「パカッ」と開き、ギロリと私を一瞥(いちべつ)してから「あー、ダメダメ、今はダメ!」と言い残し、フルフェイスヘルメットをかぶったままコンビニ店内に消えていったのだが……この際それは問題ない。

──このとき私は、さらなる衝撃的な光景を目の当たりにしたのだ!

フルフェイスの穴の部分に、まさしく「ギュゥ〜〜〜〜〜ッ」っと、アジャ様の顔すべてがパンパンに押し込まれているという「濃縮アジャ」の状態を! 骨密度ならぬ “アジャ密度” の検査をしたら、余裕で200%を超えてしまうほどの異常事態だ。

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とんでもないものを見てしまった……! 決死の声掛けがアッサリ断られれてしまったショックよりも、私は「濃縮アジャ」の衝撃で身動きが取れなくなっていた。アジャ様はフルフェイスのシールドをパカッと開けただけで、ある意味2ショット写真よりも記憶に残る「衝撃」を私に還元してくれたのである。さすがはWWWAチャンピオンだ。

──その後、おそらくフルフェイスのまま出てくるであろう “どう見てもコンビニ強盗なアジャ・コング” と顔を合わせるのが気まずいということもあり、その場を離れて近所を徘徊すると……通称「レジー姐さん」ことレジー・ベネット選手が目に入った。

彼女は私の「ハ、ハロー! フォ、フォトッ! プリーズ! アイハブカメラ! 写ルンです! アイラブ・ゼンジョ!」という怪しい声掛けにも「オッケ〜イ!」と気さくに応じてくれて、棚からぼたもち的に2ショット写真を撮る機会に恵まれた。
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横に並ぶレジー姐さんの大きなバストが、私の二の腕にボヨヨンと当たった。これぞまさしくダッダーン ボヨヨン ボヨヨンだ。まだまだウブな中高生の私にとって、この直ボヨ(じかぼよ)は濃縮還元アジャ・コングと匹敵するくらいの衝撃的な体験だった。

レジー姐さんの直ボヨ感触は、約20年経った今でも私の二の腕が覚えている。濃縮還元アジャ・コングからの、うれしはずかしボヨヨン事件。一生忘れられないデカい事件が、数分のうちに2つも起きた奇跡の日だった。ダッダーン ボヨヨン ボヨヨン!!

執筆:GO羽鳥
イラスト: マミヤ狂四郎
Photo:RocketNews24.

▼ぬりえもあるぞ!
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