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誰もが夢中になって遊んだ! でも今では忘れられてしまった!! そんなゲームを紹介するこの企画。今回はリコーエレメックスから発売されていたファミコンソフト、『新人類』である。

このゲームは今から27年前の1987年に発売されたシューティングゲームだ。リコーエレメックスとは聞きなれないメーカーだが、実はハドソンが開発している。その特徴は何といっても……「プロレスラー長州力がレーザービームになる」という驚愕のシステムだった!

・ゲーム自体は王道シューティングゲーム

ゲームの概要としては、“原始時代をモチーフにした縦スクロールのシューティングゲーム” である。アイテムを獲得していくごとに武器や速度がパワーアップしていく王道といえば王道システムではあったのだが、なぜか肝心の武器がとてもおかしなことになっていたのだ。

武器は「こぶしマーク」を獲得すると1段階ずつ『石 → 斧→ ブーメラン → 炎』の順にパワーアップしていく。最終形の『炎』は多方向に4発同時に発射できてガン強! なのだが……。稀に出てくる「長州力マーク」を獲得すると、主人公が長州力になり武器も長州力になるのである!

・長州が武器になる以上にヤバいこと

「ちょっと待って! 何を言ってるかよくわからない」という人もいるだろう。無理もない。詳しくは画像を確認してほしいが、紛れもなく長州が武器になるのだ! なるもんはなるのだ!! だがしかし……! 本当にヤバいのはここからだった……!!

何がヤバいのか? それは『長州が炎より明らかに弱い』という仕様にあった。先述したように炎は4発同時発射なのに対し、長州は2発しか発射できなかった。シューティングゲームにおいて弾の数は絶対である。使えなかった……長州力は全然使えなかった

・『新人類』から学んだこと

念のため補足しておくと、長州は敵を貫通するいわゆる “レーザービーム” 的な役割であった。ただ、その使い勝手が抜群に悪かったのだ。このゲームが販売する際、テレビCMにも出ていたのに……! 説明書にも長州力がデカデカと載っていたのに……!

昔のゲームにはありがちだったが、『新人類』もメチャメチャ難しかった。クリアした記憶はない。特に難しかったのは水のトラップ。水に落ちたら即死なのだが、ジャンプ判定が恐ろしくシビアだったのだ。「今のはセーフだろ!」と思っても後の祭り。武器が炎でも長州でも石からやり直しだった。

当時、幼いなりに炎の方が明らかに強いとは思っていたが、「長州が炎より弱いわけがない!」と自分に言い聞かせながら、無理して長州を使い続けた……。「絶対におかしい!」と思いながら水トラップに挑戦し続けた……。『新人類』は理不尽さに耐える “我慢強さ” を鍛えてくれたゲームであった。

・今回プレイしたゲーム
タイトル:新人類
発売元:リコーエレメックス
購入価格:200円
評価:☆☆☆☆☆☆★★★★
一言コメント:「理不尽なほど難しく、長州の使い勝手の悪さも謎。ただシューティングゲームとしての完成度はまあまあ高い」

Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼縦スクロールのシューティングゲーム。最初の武器(たま)は、石ころ。
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▼第2段階の武器、斧。
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▼第3段階の武器、ブーメラン。これもなかなか強い。
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▼最終形態の炎。これはガン強ッ!! なのだが……!
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▼稀に出てくる「長州マーク」を取ると長州に……!
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▼長州キターーーーーーーーッ!!
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▼これがレーザービーム長州だ! だが炎の方が明らかに強かった。
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▼水トラップのシビアさは異常!
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▼『新人類』だ!
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