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「もう歳だから……」と、いつから人は言い始めるのだろうか? 我が身を振り返ってみるとまだ若き10代の頃に、そう口にしていたような気がする。ただイキがっていただけなのだろうが、どう思うかは人次第のようだ。

というのも、今回紹介するある高齢の女性は、「もう歳だから」とは決して言わないからである。彼女は、100歳という年齢をものともせず、小学校で算数を教え続けているのだ!

・100歳でもまだまだ現役

ニューヨークのブルックリンにあるセント・エフレム小学校で算数の先生として働くマデリン・スコットさん。彼女のお歳はなんと100歳! 日本では定年=60歳というイメージがあるが、アメリカでは生涯にわたって働き続けることができるからだ。

彼女が、教師になったのは40歳のとき。ブルックリンで生まれ育った彼女は、1928年に卒業した小学校に教師として戻ってきたのだ。以降、生徒に算数を教えてきたが、今から10年前に耳が聞こえにくくなってから教壇に立つことを断念。当時、彼女は90歳だったが、「もう十分」などとは思わず、別の形で教師業を続けることにしたのである。

・週3日、小学校で算数を教えている

今では週に3日、小学校に通っては、アメリカの算数大会「Math Bee」に出場する生徒の指導にあたっているのだ。難しい問題を教えながらも、本番の舞台でも冷静さを失わないようにと生徒たちに言い聞かせているという。そして、彼女が最も大切にしているのは、大会での勝敗ではなく、「生徒が一生懸命やったかどうか」だそうだ。

「私は誰も甘やかしません。自分の子供たちに対しても、決してね。彼らが一生懸命にやったかどうか、私がじっと見ていることを子供たちは分かっているはずです。」

・「情熱があれば、人はあきらめない」

さて、世の多くの高齢者がゆっくりと余生を送るなか、現役を貫いて己の仕事を全うするマデリンさん。その元気の源は “情熱” にあると彼女は話す。

「私は自分のやっていることに情熱を持っています。情熱があれば、人はあきらめたりしません。確かに簡単なことではありませんが、それがこの世に生きるということ。ただ座って、何もしないでいるだけなんて無理です。リタイアなんて、嫌な言葉ですね。聞きたくもありません。」

・老人会には入りません!

マデリンさんは他の多くのことにも、関心を払い続ける。新聞のニューヨーク・タイムズを開き、テレビをつけて世界の情勢をチェックするのが、彼女の朝の日課なのだとか。また、マデリンさんはどこの老人会にも所属していない。なぜなら、自分を老人だと見なしていないからだとか。う~ん、ご立派!

・クヨクヨしないことが大切!

ちなみにマデリンさんには、5人の子供、9人の孫、16人のひ孫がおり、彼女の子供のほとんどがすでに定年を迎えているそう。そんな彼女の健康の秘訣(ひけつ)は、よく食べ、よく活動し、質素に暮らし、クヨクヨしないことだということだ。

当サイトでも、エミネムを歌う高齢者合唱団や、本気をだしたカメ仙人のような60歳の男性など、多くの元気な老人たちを紹介してきたが、マデリンさんも負けていない。これは、彼女よりも年下の “若者” が元気を出さないでどうする! といった感じだ。「もう歳だから……」なんて言っている場合ではないぞ!

参照元:PIX11You TubeDNA info(英語)
執筆:小千谷サチ

▼実際にマデリンさんのお元気な姿を拝もう!