突然だが、みなさんにとって食べづらい食べ物は何だろうか。味や見た目の問題ではなく、「食べるときに手こずる」という意味での食べづらい食べ物がひとつやふたつあるだろう。

半熟目玉焼きの場合、黄身を一滴も残さずにたいらげるのは困難だし、野菜やソースをたっぷり挟んだボリューム満点のハンバーガーも食べづらい。大きめの鯖寿司なんかも、箸で持つと鯖とご飯がボロッと別れてしまったりして手強い相手である。そんな食べづらい食べ物たちのなかでも、私(筆者)が特に神経を使うのはシュークリームだ。

・シューとクリーム

シュークリームとは、生地であるシューにカスタードクリームなどを詰め込んだスイーツだ。お洒落なケーキ屋さんなどで売っているものには、クリームをシューでサンドしたタイプもある。私がそのタイプにお目にかかることはあまりないので、今回はコンビニなどによくある詰め込みタイプについて書くが、いずれの場合も食べづらいことに変わりはないだろう。

・クリームを無駄にするべからず

シュークリームを食べる際に気を付けるべき点はいくつかある。まずは、とにもかくにもクリームを無駄にしないこと。油断をすればすぐにプニュと出てきてしまう。かじった部分ばかりに気を取られていると、思わぬところからプニュとなる。口に頬張った瞬間に襲ってくる左右からのプニュにも気を付けたい。

最悪の場合、買って帰った時点で、すでに袋の中でプニュが進行していることもある。いざ、一戦を交えようというときに、この光景を目の当たりにするのは辛い。不戦敗なのだ。シュークリーム好きにとっては屈辱的ともいえる瞬間である。この「プニュ」こそが、シュークリームが食べづらい最大の要因と言えるだろう。

・バランスも重要

次に、シューとクリームのバランスにも気を付けておきたい。シューだけを口に入れても味気ないし、クリームだけでも何か違う。シューとクリームを一緒に食すからこそのシュークリームなのだ。そのためには、かじるごとに両者をちょうど良い塩梅で迎え入れなければならない。

だがしかし、ここでもやはり問題となるのがプニュである。不意に顔を出すアイツのせいで、バランス良く食べ進んでいたこちらの計画が一気に崩されるのだ。

このとき最優先にすべきは、クリームを無駄にしないこと。すなわち、バランスは二の次で、プニュとなったクリームをペロッとしなければならない。口の中は10対0でクリームが占めることになるが、このときばかりは仕方がない。出る杭は打たれる、出るクリームはペロッだ。ただし、これは奥の手であり、時と場合によっては使えない技であることも忘れてはならない。

・持ち方にも気を配る

さらに、頬張る際の持ち方にも気を付けなければならない。薄いシューと柔らかいクリームでできたこのスイーツは、とにかく繊細なのだ。無駄な握力は禁物である。ひとつひとつが袋に入れられたコンビニタイプならば、シュークリーム本体を掴まず、袋の両端をつまんで本体を支えるという方法も使える。

また、プニュを回避するためには、常に一定方向に持つのではなく、角度を変えてみることも重要だ。角度を変え、見方を変えて食べ進めるのである。ちなみに、私の場合、90度左回転を常套手段としている。

・世界三大食べづらい食べ物

わりとお手頃な価格で手に入る身近なスイーツ、シュークリーム。だが、その食べづらさは群を抜いている。食べている間、常に神経を集中させなければならないシュークリームは、世界三大食べづらい食べ物に入ると思うのである。

執筆:むねやけサンデー
Photo:RocketNews24.