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今でこそ「オシャレな街」として認知されている中目黒。だがしかし、だがしかし! 昔は全然オシャレの「オ」の字も感じさせないような、バリバリの下町だったのである。私(筆者)の勝手な分析だと、オシャレになったのは今から約20年前から……だ。

ということで今回は、昔の中目黒はどんな街だったのかを知ってもらうために、今から35年くらい前から16年間、中目黒に住んでいた私(筆者)が感じていたナカメ感を、「オシャレな街になる前の中目黒あるある50連発」としてお伝えしたい。

その01:おもちゃ買うなら山口屋(やまぐちや)。
その02:ファミカセ買うならチャリで祐天寺まで遠征してファミコンハウス。
その03:さらに遠征して学芸大学のドラゴンまで行くと最強。
その04:ミニ四駆買うならチャリで恵比寿まで遠征してミスクラことミスタークラフト。
その05:中目黒に初めてハンバーガー屋ができた時は感動のあまり行列。ちなみにベッカーズ。
その06:駅前のラーメン屋「ラーメン横丁」が『アッコにおまかせ!』の「生放送で出前をとる」みたいなコーナーに出てきたときは感動。
その07:30年くらい前は、いま中目黒ゲートタウンが建っているあたりに「うどん玉だけを売るお店」とかもあった。
その08:中目黒駅すぐ近くにあったオシャレなレストラン「ジロー」のハンバーグは美味かった。
その09:中目黒駅すぐ近くで美味しい “洋食” を食べたいとなったら「サワダ」。
その10:ライフ2階の洋服コーナーでクラスメイトに会うと恥ずかしい。
その11:小学校の「街のお店や工場とかを自由研究」みたいな課題で、チーズケーキで有名な「ヨハン」を見学しに行くと、おみやげにチーズケーキがもらえて嬉しかった。
その12:小学校の「街のお店や工場とかを自由研究」みたいな課題で、烏森神社近くの「あんこ工場」を見学しに行くと、あんこがパンパンに入った「業務用あんこ」がもらえたんだけど、使い道に少し困った。
その13:目黒銀座の真ん中あたりにある書店「ミツノ」の古ぼけた木の香りが最高。
その14:実は中目黒には駄菓子屋がメチャクチャあった。
その15:最もアツかったのは目黒川沿いにある駄菓子屋。店主は漫画家「鈴木義司」によく似た、滅多に笑わないハードボイルドなおばあさん。
その16:山手通沿いの上島珈琲とブックオフの間を入った先にある小さなクリーニング屋さんも、実は昔は駄菓子屋「亀屋」だった。
その17:今から27年くらい前に、上記の駄菓子屋のオッチャンから「今までありがとうね。もうウチ、終わりだから好きなもの持って行っていいよ」と言われた時、もうオッチャンに会えなくなるのかと思って泣きそうになったが、数カ月後にはクリーニング屋のエプロンをつけたオッチャンが同じ店舗の中にいた。
その18:目黒銀座の古本屋に行くと、まるでDJがレコードを物色するような熟練の手つきでエロ本を選んでいるオッサンがいたが、よく見ると私の父だった。
その19:上記とは違う目黒銀座の古本屋に行くと、まるで考古学者が古代の書物を吟味するような真剣な目つきで劇画調のハードコアなエロ漫画を選ぶオッサンがいたが、よく見ると私の父だった。
その20:駅近くの「不二家」が入ってたビルの2階にあった本屋「初宝堂(しょほうどう)」のアダルト雑誌コーナーでピカピカの新品エロ雑誌を選ぶオッサンがいたが、よく見なくても父だった。
その21:東急ストアのすぐ近くにあった「サンリオショップ」的なお店のニオイは独特だった。なんというか、匂いつき消しゴムの香り。
その22:その昔、駅のガード近くには歩道橋があったのだが、そのすぐそばに店を構えていた薄汚い本屋は、すべての雑誌をフライング販売してくれる貴重な存在。
その23:その薄汚い本屋のアダルトコーナーは、他店には置いていないようなマニアックかつ過激な本ばかり並んでいたが、そこでは父を見かけなかった。
その24:昔は目黒川もドブみたいでメッチャ臭かった。
その25:台風が来るとウーウーと警報が鳴り響き目黒川が氾濫。
その26:おそらく中目黒で一番最初にオシャレな風を呼び寄せたのは「TOLLFREE(トールフリー)」っていう洋服屋さん。すべてが衝撃的だった。
その27:ライフの向かいに、両隣をパチンコ屋に挟まれた瓦問屋があった。
その28:オッチャン駄菓子屋の近くに畳屋なんてのもあった。
その29:山手通沿いに「アイスクリーム巻き」なる邪道メニューが評判の回転寿司屋があった。
その30:上記の回転寿司屋で「マグロ」を注文したら、大将が「アイヨッ! マグロ1丁!」と元気よく叫びながら冷蔵庫から「東急ストア」とラベルの付いた家庭用のマグロパックを取り出し、それを切り、握り、威風堂々と「へい、マグロおまち!!」とドヤ顔で出してくれたのは最高の思い出。
その31:しかも困ったことに、その回転寿司屋は他のどんなネタよりも「アイスクリーム巻き」が一番うまい。
その32:何かと目印になるのが「アートコーヒー」。
その33:サーティーワンを出て公衆便所も通り過ぎた先にある「真っ暗すぎる荒れ放題のガード下」は臭すぎるうえに頻繁にネズミを目撃した。
その34:中目黒駅前図書館の漫画コーナーは、今考えると『漂流教室』や『サバイバル』など名作マンガが充実しまくりのセレクション。
その35:毎年9月ごろ、ライフ近くの「城南信用金庫の屋根付き駐車場」を使って行われる「上三町会(かみさんちょうかい)」のお祭りは神輿の荒っぽさも含めて激アツ。
その36:日の丸、ペンギン、キング、名前忘れたけど駅近くの地下など、駅のまわりはゲーセン選び放題。
その37:ゲーセンに行くのが怖い小学生とかは、東急ストア前に設置されたゲーム筐体、目黒川沿いの駄菓子屋、もしくは目黒銀座の山口屋でアーケードゲームをプレイすることになる。
その38:よく見かけるのが「極悪」という落書き。
その39:やたら存在感があったゲームセンターペンギン前にあったオレンジ色の「コスモ」の自販機。
その40:今で言うところのドン・キホーテ的な、なんでも売っている「OPS(オーピーエス)」っていう名前の店があった。
その41:ライフ前にあったパン屋「ペニー」のショコラパンは美味かった。
その42:ちょうどいま中目黒ゲートタウンが建っているあたりに店を構えていた「中村屋」のオヤジが欽ちゃん(萩本欽一)に似ていた。
その43:ちょうどいま駅前にあるバベルの塔みたいなデッカくて細長いビル(中目黒アトラスタワー)のあたりに、魚に強い「ウオツネ」というスーパーがあった。
その44:目黒銀座の脇にある細長い公園は、ムシムシした夏になると、なぜかモワッとウンコ臭い。
その45:東急ストアの脇にあった小汚い焼き鳥屋さんの換気扇から漂うモクモクとした焼き鳥のニオイを嗅ぐと腹がへる。
その46:ちょうどいまデッカいツタヤがあるあたりに、ウナギみたいな顔をした大将がいるウナギ屋さんがあったのだが、そこのウナギ弁当が信じられないほど激うま。
その47:目黒銀座の奥の奥に巨大なレンタルビデオ店「アコム」が登場した時の衝撃。
その48:まさか千代田生命保険本社ビルが目黒区役所になるなんて想像もしなかった。
その49:ライフでよく流れていた「ララ〜ライフ♪ ライライララ〜ライフ♪」みたいな歌が好きだった。
その50:私が中目黒から引っ越した直後からオシャレになり始めたような気がして、なんだか悔しい。

執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.