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別名「名古屋のチベット」と呼ばれる名古屋市守山区は、新興住宅地に山や森が点在する自然いっぱいな場所。むろん3000メートル級の高度にはないが、どことなく神々しい空気が漂っている。

そんな守山区の一角が文字通り「チベット空間化」していると聞き、問題の場所に行ってみると、幹線道路を走行中「ここが話題のチベットカフェ!」なる巨大看板を発見!すかさずハンドルを切って突入してみた。

そこにあったのは、いかにも「チベットっぽい」カフェの建物、そして、山の斜面にへばりつくように作られた階段。そのてっぺんにはチベットで見たのとまるで同じ、まごうことなきチベット寺院がそびえていた……。ここ、名古屋なのに!

・名古屋のベッドタウンでマントラを唱える

まだ新築の香りが漂うこちらの寺院、チャンバリン(強巴林)という。ラサのジョカン寺で修行されたという女性住職が、帰国したのち、あちこちこだわり尽くして平成17年に建てたもの。急勾配の階段を登り切ると両側に巨大な金色のマニ車。ここまで来たのでそれっぽく「オン・マニ・ペメ・フム」とマントラを唱えながら回してみた。いいことあるかな?

こだわりまくった本堂は残念ながら撮影禁止。それでもこの日、いい感じに日差しが強く、頭上で風にはためくタルチョ(経文を記した旗)を眺めているだけでも、本当のチベットにいるような錯覚を感じたのだった。

寺の裏手には更に上へ続く階段があり、登り切った広場にはありがたそうな塔がそそり立ち、反対側を見下ろすと、チベット寺院と名古屋の町が混ざり合った、不思議な風景を目にすることができる。

・ふもとのカフェではチベット風バター茶もいただけるよ

本堂では日本人僧侶が占いをしてくれるが、ちょっと押しの強そうな人だったので遠慮して、ふもとのチベットカフェ「パルコル」でチベットランチをいただいた。

チベットカフェと言いつつ、メニューを開くとエビピラフにたらこスパ、タコライスにフルーツパンケーキ。そのへんにあるチェーンの喫茶店と何も変わらないが、よく見るとチベットっぽい献立として「チベットカレー」と「トゥクパ」(チベット風うどん)を発見。

どちらも試してみたが、大胆なアレンジで日本人の舌にもピッタリ。バター茶はチベットから輸入したヤクバターを使用。麦こがしもついてくる。

もう少し土着感を強めにしても良いような気がしたが、日本にいながら、つかの間のチベット気分に浸ることができる貴重なパワースポット。

今回紹介したチャンパリンの他に、広島県にも「ゴマン学堂」というチベット仏教僧院があるらしい。機会があればそちらにも是非足をのばしてみたい。

・今回ご紹介したお寺の詳細データ

名称 強巴林(チャンバリン)
住所 愛知県名古屋市守山区青葉台101

Report : クーロン黒沢
Photo : Rocketnews24.

▼ジャーン! 周りに普通の寺もありますが、完全に浮いていた
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▼写真で見るとそうでもないが、かなりの高低差を感じる
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▼残念ながら、本堂は撮影禁止。再現度すごいです
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▼「ほとんどチベット」的な写真が簡単に撮れるよ
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▼てっぺんにはありがたそうな塔が
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▼一度回すと一回読経したことになるマニ車
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▼日本語の解説も万全だ
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▼こちらはトゥクパ。梅干し付き
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▼チベットカレー。チベットではあまりない料理です。なんて……
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▼ヤクバター茶。すごく飲みやすくて美味しかった
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