500crash

広告は人目を引くことが重要である。関心を持ってもらうには、強く人を惹きつけなければならないのだが、あまり強烈なものは問題があるようだ。最近ロシアのモスクワで実施された車両広告が大問題になっている。

その広告とは、車両の側面にデカデカと女性の胸を表示するというもの。悲しいかな、男性はこれに目が行かざるを得ない。広告を掲げた30台のバンが、24時間走行しただけで、なんと500件以上の車両事故が発生したというのだ! 悲しい、悲しすぎる男の性(さが)よ……。そりゃ事故も起きるわ。

・新しい広告の形を提案

この奇抜な広告を仕掛けたのは、「サラファン」という会社である。広報担当者の話では、路面電車やバスなどの公共交通機関の車両側面に、広告が掲示されていることは良くあるのだが、これに替わるものとして、トラックやバンの側面に広告を掲示することを提案したかったそうだ。新しい広告の形を提示したいという意図があった。

・517件の車両事故発生!

その広告がインパクトのあるPR手法であることを訴えかけたいために、女性の胸をバンにデカデカと掲げ、モスクワ市内を走らせたのである。だがインパクトが強すぎた。30台のバンが走行し始めてから24時間で、517件の車両事故が発生した。

・すべての事故を補償

事故を起こしたある男性は、会社の会議に向かう途中で、問題のバンを目撃してしまい、前方の車に突っ込んでしまったそうである。幸いケガはなく、車両は保険で修理するそうなのだが、会議に遅れたうえに精神的なダメージを被ったようだ。サラファンの広報担当者は、すべての事故を対象にして補償を行うとし、保険でカバーしきれない部分は同社が負担すると発表している。

新しい広告を提案するのは良いのだが、男性の心理を読み誤ったのかもしれない。いずれにしても効果的な広告であることに間違いない?

参照元:Metro.co.uk(英語)
執筆:佐藤英典
イラスト:Rocketnews24