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岐阜県各務原市。観光で訪れるにはちょっぴり交通の便が悪いこの地に、朝日新聞の「企業博物館ランキング」で、かのトヨタ博物館を破り全国第5位にランクインした、知る人ぞ知るエリート博物館がある。

その名は、大手製薬会社・エーザイが運営する「内藤記念くすり博物館」。なんだか難しそうな施設かと思いきや、医療とくすりと薬局の歴史をテーマに、シロウト&一般人でも興味津々で楽しめる工夫のされた、超オススメの博物館だった!

・6万5千点を超える貴重な収蔵品! 雑貨マニアも歴史マニアも大興奮

様々なハーブが生い茂る広大な薬草園のど真ん中にそびえる、合掌造り風の大きな建物が博物館。うれしいことに入場無料。入るとまずは「くすりの歴史」から順番に学んでゆく。

とはいえ、小難しい展示はほとんどない。まずは高級漢方薬に使われるセイザンコウの鱗、サルの頭の黒焼き、干したガラガラヘビ、オットセイの睾丸、乾燥ミミズ、蛇の内臓などなど、珍奇な材料の実物がそのまま並んだショーケースに度肝を抜かれる。

原寸大で復元された明治時代の薬局に、尾張藩の典医が乗っていた実物の駕籠(かご)。針灸学習用の経絡人形はハイチの呪い人形並みにコワイ顔だが。これもかなり貴重なものに違いない。

当時の医師たちが死んだ罪人をバラバラに分解、ヘタウマタッチのイラストで克明に記録した江戸時代の解剖図など、ここでなければ見られない資料もいっぱい。単純に目で見て楽しいものばかりだ。

体験コーナーでは骨密度や脳年齢の計測が可能。事前に予約すれば薬膳料理が食べられ、お茶やアメのサービスも……。まさに至れりつくせり。他の観光地からかなり孤立した場所にあるが、無理してでも行く価値あり。見どころ満載なので時間に余裕を持って訪れてほしい。

・今回ご紹介した施設の詳細データ

店名 内藤記念くすり博物館
住所 岐阜県各務原市川島竹早町1
時間 9:00~16:30
休日 月曜日

Report : クーロン黒沢
Photo : Rocketnews24.

▼建物は合掌造り風
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▼伝説の聖獣「白澤」。勿論シラサワではなく「はくたく」と読む
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▼かわいらしい無病息災イラストが描かれた江戸時代の絵馬
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▼経絡人形。夜中に歩き出しそうで怖い
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▼映画「ヘルレイザー」のピンヘッドかと思った
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▼漢方薬の材料:セイザンコウ
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▼こちらはサルの頭の黒焼き
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▼材料を擦り下ろすサメ皮を張ったおろし金
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▼大昔のくすり屋さん
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▼当時の医薬品広告
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▼従業員のヒエラルキーを解説
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▼家庭常備薬の箱
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▼尾張藩典医の駕籠。例えるなら大昔のハイヤーか?
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▼周りは広大な薬草園。時間があればこちらも見学可
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