新幹線と言えば、日本が世界に誇る高速鉄道だ。その高い技術のおかげで、安全かつ快適でスピーディに移動ができるのは、なんとも有難いことである。

だがしかし。そんな素晴らしい乗り物であるにもかかわらず、新幹線にはひとつだけ「ここだけはどうにかならないものか」っていう点がある。それは、最前列通路側の座席で繰り広げられる自動ドアとの攻防だ。

・最前列通路側の試練

新幹線の座席は基本的に一方向に向かって揃えられており、ここで言う最前列とは各車両のいちばん前にあたる座席のことだ。その通路側の2席どちらかを選んだ瞬間から、自動ドアとの闘いが始まる。

脚を組み替えるたびに、テーブルに載せたものを取ろうとするたびに、プシューッという音を立ててドアが勝手に開いてしまう。座席上の棚に置いたものを取ろうとして立ち上がれば百発百中。自動ドアのセンサーから逃れることはできないのだ。だが、同じドア付近でも、最後列や窓側なら問題はない。これは、最前列通路側だけに与えられた試練であり、自動ドアとの真剣勝負でもあるのだ。

・いかにセンサーの感知から逃れるか

勝負となれば、そこは勝っておきたい。途中で座席を変えることも、諦めて立っていることもできるが、できれば棄権はしたくないのだ。闘い抜いてこその勝負である。

そのためには、相手を知ることが重要になる。センサーが反応するのはどの辺りからなのかを見極め、その範囲内ではできる限り動かない。どうしてもの時は、スローモーションにだってなる。変な奴だと思われることを気にしていれば、勝負には勝てないのだ。

・罪悪感

そんな攻防が目的地にたどり着くまで続くわけだが、これはどうにかならないものなのか。いたずらに自動ドアを開閉させるのは避けたいのである。

チョット動いただけで無駄にドアが開いてしまっては、何とも言えぬ罪悪感に襲われてしまう。別に誰からも責められたことはないが、なんだか申し訳なくなるのだ。しかも、プシューッという割と大きな音が状況を悪化させている。この自動ドアとの攻防がなくなれば、新幹線はさらに快適な乗り物になると思うのである。

執筆:むねやけサンデー
Photo:RocketNews24.