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日本で栽培されるキノコといえば、シイタケやシメジ、エリンギやエノキダケなどが一般的。これらのキノコも美味しいものだが、世界中にはさらに美味しいキノコが山ほどある。

たとえばタイの辛いスープ「トムヤムクン」の定番材料『フクロダケ』。中国の市場にも山積みされているアジアではメジャーな美味しいキノコだ。

日本人にはあまり馴染みの無いキノコだが、なんとそのフクロダケが群馬県高崎市で日本初の栽培に成功。いったいどれだけ美味しいのか、確かめに群馬まで行ってみたぞ!

・高崎市で生産されている

フクロダケは高崎市の田園地帯の真ん中で生産されており、代表の戸田さんが1人で栽培をしている。栽培期間は10日ぐらいと短い間隔なものの、なんと収穫してから2日で腐ってしまうらしく、非常に日持ちが悪いらしい。

そのため今まで流通することが無かったそうだが、現在は冷凍や水煮での販売も行っており、少量ではあるが購入することができるという。

・エリンギのような食感とシイタケのような旨味

気になる味については、冷凍品をソテーしたものと電子レンジで加熱したもの2種類を食べたところ、どちらも美味しいがソテーした物は非常に旨味が濃く、信じられないぐらい美味しかった!

例えるならエリンギのような心地よい食感と、シイタケのような濃厚な旨味を持ち、さらにジュースが多いので加熱してもパサパサにならない素晴らしいキノコだと感じた。おそらくコレならアジア料理だけでなく、ほかの料理にも応用できるだろう。

……ということで、生のフクロダケが腐らないようクルマで高崎市から高速道路に乗り、茨城県つくば市にあるイタリアンの名店『ピッツェリア エ トラットリア アミーチ』へ持っていき、その味や調理法についてプロの料理人たちに見てもらうことにした。

・イタリアンの名人に評価してもらう

まずはスーシェフの佐々木さんに、フクロダケのカレー風味のフリットとパスタ、ソテーを作ってもらった。フリットにするとほど良く加熱され、カレーの風味とフクロダケのジュースが合わさって非常に美味しい! コレなら何個でも食べられそうである。

また、パスタは一度ソテーしたものをサンマと合わせてタリアテッレと一緒に食べる。これはウマすぎるッ……!!! 正直佐々木さんの腕が良すぎるためキノコがウマいのか何なのか分からなくなってきたが、確かに美味しい。ソテーはパンチェッタとパルミジャーノと一緒に食べると相乗効果でさらに旨味が増す。

お次は統括ピッツァイオーロ(ピッツァ職人)の鈴川さんに、フクロダケのピッツァを作ってもらった。こちらは切り方を変えて食感を変えたフクロダケにベーコンとチーズを合わせたピッツァで、文句なしにウマい。ポルチーニと比べて香りは弱いが、食感や旨味といった面では負けていない印象だ。

ラストは太田シェフに、アンコウと一緒に冷凍のフクロダケの煮込みを作ってもらった。トムヤムクンの食材として定番なだけに、煮込みとの相性もバッチリ! シェフいわく「穴をあけて煮込むともっと煮汁が含まれて良かったかも」とのことでさらに美味しく仕上がる可能性もあり、結果としてはイタリアンの食材としてもなかなか使えそうである。

・冷凍をソテーして食べてみて

やはり食感は冷凍より生のもののほうが勝っていた印象はあるが、じつはキノコ類は一度冷凍すると旨味成分が増えるため、美味しさに関しては冷凍のほうが上かもしれない。もし購入した人がいたら、まずは解凍して薄くスライスし、弱火でソテーして塩をして食べてほしい。きっとフクロダケの美味しさに衝撃を受けるはずだ。

参考リンク:日本ふくろ茸ファーム
協力:ピッツェリア エ トラットリア アミーチ
Report:なかの
Photo:Rocketnews24

▼栽培地の周辺はのどかな田園地帯だ
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▼フクロダケは湿度や温度を管理したコンテナのなかで栽培されている
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▼見た目は悪いがコレがムチャクチャうまい
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▼あまりに美味しいので茨城県の凄腕イタリア料理人たちに味の評価を協力していただいた
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▼佐々木スーシェフに作って頂いたもの。どれもウマい。
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▼鈴川統括ピッツァイオーロにはフクロダケのピッツァを
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▼太田シェフにはアンコウとフクロダケの煮込みを作っていただいた
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