本人に内緒で計画を立て、様々な演出やプレゼントなどで驚かせることを巷では「サプライズ○○」と言う。誕生日やら、記念日やら、何でもない日の突然のプレゼントやら。とにかく秘密裏に計画されたお祝い系のものはサプライズ○○だ。

そんなお洒落な雰囲気満点のサプライズ○○とは無縁な人生を歩んできた私(筆者)だが、先日、ついにその瞬間を迎えることになった。私の誕生日での出来事である。だが、そのような有難い状況の中で、私が身にしみて実感したのは、「ここぞという時にナイスなリアクションをとることがいかに難しいか」であった。

・サプライズ・バースデー

厳密に言えば、それは誕生日の数日前に行われたサプライズ・バースデーだった。祝ってくれたのは、友人二人だ。私には二人しか友人がいないので、この地球上で「友」と呼べる人全員が一堂に会して祝ってくれたことになる。こんなに素晴らしいことはない。有難いことである。

・驚きすぎてノーリアクション

誕生日当日ではなかったこともあり、私は二人の内緒の計画にまったく気付かなかった。友人宅での単なる飲み会だと思ってノンキに20分ほど遅刻していったところ、突然ケーキとプレゼントでお祝いしてもらったのである。

あまりにも唐突な出来事に、私は「えっ!?」と言ったきり言葉が出なくなってしまった。ビックリしすぎて、大したリアクションをとることもなく黙り込んでしまったのだ。二人は笑っていたが、その間にも私の頭の中はフル回転で状況を理解しようとしていた。

・隠し撮り

ようやく、「これが巷で言うサプライズか」と理解し始めたころ、さらなる驚きの事実を二人から聞かされた。なんと彼らは、たった今起きたサプライズの状況を隠し撮りしていたというのだ。そして、早速その動画を見てみようと言い出した。……嫌な予感しかしない。

ケーキを食べつつ、言われるがままに二人と動画を見てみると……そこには驚きすぎてなんの面白味もない反応になってしまっている自分と、したり顔で笑う友人たちが映っていた。YouTubeなどで見る、大盛り上がりの素敵なサプライズ動画とはまったく違う光景であった。

・リアクション能力欠如

「わー!」とか「キャー!」などと喜ぶ様子もなく、「ビックリした~」「気付かなかった!!」などのコメントもなく、驚きのあまり「ありがとう」すら出てこない。もちろん状況を理解してからは感謝の気持ちも驚いたことも伝えたが、今さら「わー!」などと演技するわけにもいかず、私の不甲斐ないリアクションのせいでイマイチ盛り上がりに欠けるサプライズになってしまったのだ。

映像を通して客観的にみると、いかに自分はリアクション能力の低い人間なのかということがわかりすぎて辛くなってしまった。なぜこんなにもつまらない反応しかできなかったのかと自問自答した。

・ここぞという時にナイスリアクションできる人は凄い

ネットで拡散されるサプライズ動画のなかには、世界中を魅了するほど素敵なリアクションをみせる人々がいる。これまでは気付かなかったが、人生初のサプライズを体験した今、彼らの凄さを実感せずにはいられない。ここぞという時や本当に驚いた時にナイスリアクションをとれる人には、ただただ脱帽である。

執筆:むねやけサンデー
Photo:RocketNews24.