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過剰な警告は、時に問題の本題から逸脱して、別のあたらしい問題を引き起こすおそれがある。最近では古書や玩具を取り扱う「まんだらけ」が、万引き犯の顔を開示すると警告して物議をかもした。また滋賀県のゲームセンターでは、警告文の内容が煽りすぎていると話題になっていた。

実は海外でもこれと似たケースが発生していたようだ。英国のある街で、犬の糞の不始末を警告するポスターに批判が相次いでいる。というのも、このポスターに掲載されていた描写が過激すぎて、ネット上に拡散される事態となったのだ。そのポスターとは……。

・ネットで拡散

問題のポスターを頒布したのは、サリー州にあるスペルソーンという自治区である。ポスターは2013年のものなのだそうだが、最近になって画像共有サービス「Imgur」に投稿されてまたたく間に話題となった。

・「子どもたちは何にでも触れる」

ポスターには、「犬の糞を片付けて。子どもたちは何にでも触る」と言った注意書きが記されている。それだけであれば、警告ポスターとしての本来の役割を果たしたはずなのだが、問題は掲載されていた写真だ。

・行政は批判を一蹴

男の子が糞を手に持ったうえで、口の周りを汚しているのである。まるで糞を食べてしまったかのように見えるのだ。地元の人々は不快感をあらわにしていたのだとか。たしかに糞を片付けないことを警告するには、やりすぎている感が否めない。しかし行政関係者は「メッセージや画像が必要な効果をもたらすべきである」として、批判的な意見を一蹴したそうだ。

このポスターの指摘はもっともなのだが、直視に堪えない内容であれば、メッセージそのものも伝わらないように思うのだが……。

参照元:Metro.co.uk(英語)、京都新聞
執筆:佐藤英典