icecreamdontmelt

暑い毎日が続いている。あまりの暑さに、1日に1つや2つアイスクリームを食べるという人もいるかもしれないが、アメリカでアイスに関して驚くべきニュースが報じられている。

オハイオ州シンシナティの地元放送局WCPOによると、前日から12時間も庭に放置していたのに溶けきらず、原形をとどめていたアイスクリームが発見されたという。見つけた日の朝は、気温が27度近くあったそうだ。過去に中国で、室温で24時間放置しても溶けないアイスもあった。一体なぜこのようなことが起きるのだろうか?

・もう一度試しても同じことに

溶けなかったのは、世界最大のスーパーマーケットチェーンであるウォルマートで売られている「グレート・バリュー・サンドイッチ」というアイスクリームサンド。何かの間違いではないかと思った発見者は、もう一度アイスを12時間放置したという。すると、結果は同じ。つまり溶けきっていなかったのだ。

・3つのアイスで検証

そこでWCPOも、アイスを30分間に日なたに放置して検証している。選ばれたのは、ウォルマートの同じアイスとクロンダイク・バー・サンドウィッチ、ハーゲンダッツのカップアイスの3つだ。

その結果、ハーゲンダッツはすぐに溶け、クロンダイク・バー・サンドウィッチもまずまず溶けたそうだが、ウォルマートのアイスは「少し溶けたものの固さを維持しており、サンドイッチの形状が崩れていなかった」という。

・成分の違いが影響しているのか

今回の件に関してウォルマートは、「アイスのクリームが多いほど、一般的に溶けるスピードが遅くなる」との説明だ。また、WCPOによれば、増粘安定剤が溶けやすさに影響するという意見もある。食品素材を製造販売する太陽化学の解説によると、増粘安定剤により「アイスクリームのボディ感、保型性や保存安定性などもコントロールすることが容易」になるそう。

確かにウォルマートの成分表をみると、「噛みごたえのある食感」を得られるグァーガム(Guar Gum)、「口溶けがよく、保型性の良い」アイスになるローカストビーンガム(carob bean gum)などが、1%以下ではあるが含まれていると書かれている。ちなみにハーゲンダッツには入っていなかったそうだ。

・思いがけず溶けないアイスが誕生

日本では、溶けないアイスがコンビニで販売されたり、給食や介護食でも使われるなど、溶けないアイスへの需要は高い。ウォルマートも普通のアイスとしてではなく、溶けないアイスとして売り出せば、さらに人気が出るかもしれない。

参照元:WCPO(英語)
執筆:佐藤英典