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食べ物を注文してから運ばれてくるまで、あなたは何時間我慢できるだろうか? 気の短い人ならば30分でも嫌だろう。気が長い人だって、1時間待たされれば、「ん?」と思うはずだ。

そんな環境でも大混雑しているお店が札幌にある。パフェの「ピープル・ピープ」だ。スイーツなのに夜だけ週4日間、それぞれ5時間ほどしか営業していない。完全に異質である。いったいどんなパフェが出てくるのか? さっそく行ってきたぞ!

・時間のかかる理由

私(筆者)がお店に到着したのは、開店直後の19時20分である。薄暗い店内には、すでに5名ほどの先客がいた。店内に入るとまず “案内板” を渡される。そこに「時間のかかる理由」が記されており、同意した者だけが入店を許されるのだ。

「店内にいるお客様全員に一度にパフェを運びます」「1つ3分くらいかかるので、10人なら30分くらい」「作っている間に来店されたお客様の分も追加になります」とある。むむ、なんて風変わりな流儀であろう。しかし四の五の言っている場合ではない。同意して着席した。

・余裕の1時間越え

その後も次から次へとお客さんがやってくる。その全ての人が例の案内板に同意して着席している。こちらのお店ではホールもキッチンも、ご主人が一人で切り盛りしているので、来客があるたびに調理の手が止まる。30ほどの席が満席になったとき、すでに時間は1時間を超えていた。

・事件が起きた

ここで事件が起きた。若いカップルが調理しているご主人に「あと何分くらいかかりますか?」と聞いたのだ。ご主人は「書いてあったでしょ? 自分で計算して」の一点張り。カップルも引かずに「あと何分ですか?」と応酬!「時間気にしたらうちの店は無理だよ!」と言われ、結局カップルは帰っていった……こんな店あるの? 完全にアウターゾーンやないか!!

・ついにパフェがやって来た!

時計の針が21時05分に差しかかろうとしたとき、ようやくパフェが出てきた! 待ってた! 本当に待ってた!! 頼んだのは「ラム酒とカスタードのプリングパフェ」だ。おお、1時間40分も待っただけあって、なんだか神々しく見える! はやる気持ちを抑えつつ食べてみると……

・この店でしか食べられない味

「ほほぅ」店の流儀や雰囲気だけでなく、味も普通ではない。まず生クリームは砂糖が入っておらず、全く甘くない。その分牛乳の味を感じる。アイスもあまり甘くない。空気がしっかりと入ったアイスクリームで、これぞ手作り! といった感じだ。

カスタードプリンも卵の風味が豊かではあるが、甘さはかなり控えめだ。パフェグラスの底にはラム酒が注がれており、それをアイスに交ぜながら食べていくと、まさに大人の味! 今まで味わったことがないパフェであり、スイーツなのだ!!

・職人気質なご主人がこだわりまくってた

ご主人は開店直前まで、6時間ほどかけてアイクリームを練っているそうである。ごく短い旬の素材を使ったパフェもある。とにかくご主人なりの「本物のパフェ」を追い求めているのだ。職人気質なので誤解されることも多いようだが、とてもいい人だ。

張り紙には「ピープルピープはとても時間のかかるお店なのでお客様には大変申し訳ございません」と書かれている。もし訪れる場合は、それらを承知の上で出かけるといいだろう。もう一点、一人で1時間オーバーは寂しいので、本を持っていくか友達と出かけることをオススメする。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 ピープル・ピープ
住所 北海道札幌市中央区南四条西6
時間 19:15~24:00
休日 日曜日・月曜日・火曜日

Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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▼案内板だ
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▼1時間40分かかってきた「ラム酒とカスタードのプリングパフェ」!
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▼断面はこんな感じだ
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▼底にはラム酒が注がれている
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