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バンド活動25周年、一途なまでにロックを追求し続けてきた日本屈指の実力派ロックバンド「人間椅子」が、通算22枚目のオリジナルアルバム『無頼豊饒』をリリースした。それを記念して、東京・渋谷のタワーレコードでインストアライブを敢行

・再デビューの様相

購入者特典で行われたこのイベントは、過去リリースの度に行われている。だが、今作はイベント前から会場の雰囲気が全然違った。以前にも増して若いファンが増えただけでなく、会場は超満員でファンの熱気で極アツだったのである。ギター・ボーカルの和嶋慎治氏は「25年にして再デビューを果たした気分」というのだが、まさにその言葉にふさわしい状況だった。

・ひたむきなロックの道

人間椅子は1990年にデビューして以来この四半世紀、たゆまぬ活動を続けている。和嶋氏とベース・ボーカルの鈴木研一氏によって結成され、後にドラム・ボーカルのナカジマノブ氏が加入。ほぼ毎年コンスタントにアルバムを発表し続けているのだ。長いブランクもなく、長期間継続的な活動をしているバンドは、ほとんどいないと言って良いだろう。まるで一歩一歩地に足を踏みしめて歩くように、ひたむきにロックの道を歩んで来ている。

・熱の冷めぬままレコーディング突入

2013年5月にオズフェストに出演したことを機に、幅広い年齢層のロックファンに知られることとなった。そして同年8月にリリースしたアルバム『萬燈籠』で、初めて認知したファンに彼らのロックをしっかりと印象付けたのである。そのまま休むことなくツアーを行い、その勢いのままにレコーディングに突入。前作から1年と経たないうちに、今作『無頼豊饒』を6月25日にリリースした。

・疾風怒濤の日々

2010年に初のライブアルバム『疾風怒濤』をリリースしているのだが、まさにその言葉のような活動が現在続いている。6月にアルバムを発売した直後から、メディアの取材が相次いでおり、25年前のデビュー当時と同じく、いやその当時を超える勢いで活動の幅を広げている。

7月5日のタワレコインストアライブも、また疾風怒濤。作品の1曲目の、複雑なビートで畳みかける『表徴の帝国』で始まると、鈴木研一色が全面に出たオドロオドロしい『地獄の料理人』と続き、短いMCを交えながら『ミス・アンドロイド』、『宇宙船弥勒号』、『隷従の叫び』、『がらんどうの地球』と新曲を惜しげもなく放出していく。アンコールで『迷信』と定番『針の山』を披露し、都合9曲を演奏したのだが、それが本当に一瞬の出来事のように感じられた。

・一瞬にほとばしる

息をつぐヒマもないほどの怒濤のロックである。終演直後に和嶋氏にお話を聞くと、「まだ(ライブは)これからって感じでした」と非常に明るい表情で感想を語った。たった今、勢いたっぷりの9曲をやり終えたばかりなのに、「まだこれから」とは本当に頼もしい言葉だ。しかも顔つきに活力が満ち満ちており、楽しくて仕方がないといった感じに見える。何というエネルギー、このエネルギーでアルバムがつくり上げられ、ライブで一瞬にほとばしる。

・彼らを知るにふさわしい作品

もしこれから、人間椅子を聞いてみようと思う方は、今作『無頼豊饒』から聞いてみて欲しい。本来なら1枚目の作品からと言いたいところだが、今の人間椅子は今作に凝縮されていると言っても過言ではない。25年のすべてが凝縮され、なおかつ過去においてもっともエネルギッシュな時代に突入していると言ってもいい。今の彼らを知るのにふさわしい作品である。

ちなみに7月10日に人間椅子初となるニコニコ生放送を行う予定なので、その番組を見ればより深く彼らのことを知ることができるだろう。

・番組情報

タイトル: 帰ってきた人間椅子倶楽部 vol.01 supported by ロケットニュース24
日時: 2014年7月10日20時30分~
出演: 人間椅子 和嶋慎治・鈴木研一・ナカジマノブ、ロケットニュース24 佐藤英典

取材協力: 徳間ジャパン
執筆: 佐藤英典
Photo: Rocketnews24

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