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『ナターシャ通信』は、ウクライナに住むナターシャがお届けするコラム。ユニークな日本語はナターシャの個性としてご理解いただければ幸いです。

皆さんは、FEMEN(フィーメン)について聞いたことがありますか? トップレスで抗議する女性たちです。実は、「FEMEN」という言葉は、「フェミニズム」から来ていて、ウクライナで結成された女性抗議団です。今回は闘うウクライナの金髪女性たちについて、お伝えしたいと思います。

・独特のスタイル

トップレスで抗議するというのは、FEMENならではの独特なスタイルです。通訳として彼女達と仕事をしたことがあって、私は彼女たちのことがすごく好きになりました! 彼女達と出会う前は「下品」とか「クレイジー」とか「恥ずかしい」などの印象しか無かったのですが、出会ってから、すごく尊敬しています。では、彼女達を紹介します~。

・いったいどういうことなの?

2008年から3人の強い女性が、小さいウクライナの町で抗議活動をスタート。現在ウクライナだけではなく、ドイツ・フランス・スイス・スウェーデン・オランダ・ブラジルなど、全世界で1000人以上のメンバーが活動しています。

・何に抗議をしているのでしょうか?

彼女達は「全世界の女性にもっと自由になってほしい」、「女性は自分の権利を知ってほしい、それで自由になってほしい」、また「性産業は敵」というメッセージを掲げて一生懸命戦っています。つまり彼女達は、女性を性産業から守りたいという気持ちが強いです。

トップレスで抗議をする。よく言われるのは、「性産業反対なのになぜ脱ぐの?」ということ。彼女達の答えは、「毒をもって毒を制す」、「裸以外の武器は何もない、裸を武器にデモをしている」、「裸は性の主張ではなく、抗議にも使える」。これらを訴えるために、トップレスなのです。FEMENは性産業の撲滅や、女性の自立を目指しています。私は個人的に完全に性産業をなくすのは難しいと思いますが、ガンバレFEMEN。

・彼女たちは一生懸命だ

よく彼女達の身体に次のようなメッセージが書かれています。「女性は商品ではない」、「イスラム教徒よ、裸になれ」、「プーチン(ロシア大統領)、くそ!」など。私が彼女達に最初に会った時に、投げかけた質問は、「裸を見せるのは恥ずかしい?」だったのです。その答えは「全然恥ずかしくない。やりたいことがあるから。私達が言いたいことに注目を集められる」。そして、彼女達の抗議する姿を見た時に、「そうね、彼女達は本当に一生懸命だ!」と感じました。

・首謀者は母国ウクライナに帰ることができない

2013年のこと、ウクライナの首都キエフにあるFEMEN本部は政府の突入に遭い、フランスに本部を移転しなければならなくなりました。「前の政府のせいで自分の国を捨てなければいけませんでしたね。フランスへ逃げることになった時に、どんな気持ちでしたか?」と、組織のリーダーが聞かれるそうです。リーダーのサーシャさん(26歳)は、

「今ウクライナで住めないのはすごく悔しい。だって、両親にも会えないし。ウクライナという国が大好きです! ウクライナがプーチンのコントロールからどうにか逃れられることを期待しています!」

ちなみに彼女は今、ウクライナに帰れない状態です。前の政府が彼女をペルソナ・ノングラータ(好ましからざる人物の意)と定めたからです。

・何があってもがんばる

彼女たちは本当にすごいです。だって、女性の地位向上のため世界各地で抗議デモをしています。たとえば十字架を切ったり、プーチンの前に現れて「Fuck Putin」と叫んだり、パリコレクションの会場で裸のパフォーマンスをしています。きっと勇気がいるはず。

彼女たちがたとえばG7(先進7カ国蔵相・中央銀行総裁会議)やサッカーの試合にあらわれ、抗議をする。すると、マスメディアはもちろん撮影し、世界中に活動を知られるようになりました。マーケティング的に言えば、ものすごくやり方がウマイと思います。抗議したために刑務所に入れられたり、抗議した国へもう二度と入れなかったりすることが多くあります。そして政治家のガードマンに殴られたりすることさえあります。それなのに「女性の権利のためにがんばる」と言います。

・日本のメンバーを募集中?

今回の通訳の仕事で、すごく勉強になったのはひとつ。「やりたいことがあったら、絶対一生懸命頑張る!!」、彼女たちの行動は、そのことを教えてくれます。だから何かやりたいことがある人は頑張って下さい!

参照元: Facebook Sasha Shevchenko
執筆: ナターシャ