2014-06-26_193616

機内の備品を無断で持ち出したり、機内で大喧嘩を始めたりと、中国大陸の乗客(以下中国人客)の行動に関するニュースを目にするが、いま、飛行機の遅延を発端とする問題がちょっとした物議を醸している。

・大幅な遅延

発端となったのは、2014年6月20日のことだ。香港航空の21時発 香港−上海行きのフライトが、天気と上海管制塔の指示により出発が大幅に遅れた。遅延に対する航空会社の対応に不満を持った一部の中国人客が飛行機に篭城して抗議したという。

・当初、乗客は大人しくしていた

ちょうどこの飛行機に乗り合わせていた中国人観光客の花さんによると、出発の遅延のアナウンスがあってから、午前1時頃までは乗客は全員比較的大人しくしていたそうだ。

これだけ遅れたら、宿や代わりの飛行機の手配があってもいいものだが、花さんによると香港航空は特に何も対応をしなかったという。

・一部の中国人客の不満が爆発

そして翌朝。1人あたり200香港ドル(約2600円)の賠償金と代替機による振り替え輸送を提案したそうだ。ほとんどの客はそれに応じたようだが、70名の中国人客が「謝罪の言葉がない」と不満を爆発させた! そして代替機への乗り換えを拒否。そのまま篭城し、謝罪を求める抗議を始めたのである。

・中国人客の主張

篭城した中国人客の主張をまとめると以下の通りだ。

「遅れたのに宿の手配もしない」
「水や食べ物の提供もない」
「エアコンの電源も切ってしまった」
「さらに謝罪もない」

彼らは、正式な謝罪と賠償を要求。そして「香港航空の対応の悪さを世に知らしめる」と息巻いているという。結局、21日正午を過ぎても機内を占領しつづけたそうだ。一部報道によると、1人あたり800香港ドル(約1万円)の賠償を求めたとされており、中国側の報道には香港航空の対応のマズさを指摘する声もあがっている。

・香港ネットユーザーの間で物議

この中国人客の主張と篭城抗議が報道されると、香港のネットユーザーの間で物議を醸し、「横暴でヒドイ」「ゴネ得」と冷ややかな声があがった。また「失ったのは金だけじゃない、気骨も失い、尊厳も失った」と、香港航空への批判の声も上がっていた。

・香港航空スタッフが「沈黙の抗議」

不満に思っているのはネットユーザーだけではないようだ。現場のスタッフも今回の件では怒り心頭であるようで、同社スタッフによるFacebookコミュニティで「7月1日北京語ボイコット運動」が叫ばれているのだ。通常、中国人客には北京語でサービスが行われるが、この日は全て英語と広東語で行うとのこと。彼らは「香港航空 香港精神」という標語をかかげ、これを「サービス損なわずに、行う沈黙の抗議」と位置づけているもようである。

コミュニティでは北京語を使わなくても安全運行には支障は出ないとしているが、この「沈黙の抗議」は本当に行われるのだろうか? なお香港航空は「社員のコミュニティである証拠がない」「社員を騙っての呼びかけ」とし、このような抗議活動は社としては認めていないと声明を出しているそうだ。

参照元: 人民日報Apple Daily信報(中国語)、 Facebook
執筆:沢井メグ

▼中国人客の抗議は0:26~