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2014年6月24日より始まったブラジルW杯のグループリーグ最終節。グループAはメキシコと開催国のブラジル、グループBはオランダとチリが決勝トーナメントへと駒を進めた。

前回王者のスペイン、そして強豪国のイングランドがすでに敗退決定しているなど、波乱も多く起きている今大会だが、果たしてW杯にまつわる「ジンクス」通りになっているのだろうか。

・W杯にまつわるジンクス

「ジンクス」は破られるためにある……とはよく言ったものだが、W杯の歴史は長い。1930年から開催されており、今回で20回目を迎えるにもかかわらず、破られていないものも存在するから驚かされる。

・バロンドールの呪い

まず有名なジンクスとして挙げられるのが「バロンドールの呪い」だ。バロンドールとは「年間世界最優秀選手」に贈られる賞なのだが、W杯前年に受賞するとその選手を擁する国は本大会で勝てないというジンクスがある。

これまでロナウジーニョ選手、メッシ選手などのトッププレイヤーもこのジンクスに阻まれてきた。ちなみに昨年はクリスティアーノ・ロナウド選手が受賞したが、彼の出身国であるポルトガルは現在グループリーグ最下位と敗退の危機に直面している。

・アメリカ大陸のW杯

続いてのジンクスは「アメリカ大陸でのW杯は南米勢しか優勝できない」というもの。まだまだ多くの国が決勝トーナメントへ進出するチャンスがあるが、メキシコ、チリがグループリーグ突破を決めたように欧州勢が前評判通りに勝てていないのも確かだ。

・コンフェデ杯王者はW杯で優勝できない

各大陸の王者が集い、W杯前年に行なわれるコンフェデレーションズカップだが、この大会の王者はW杯で優勝できないというジンクスもある。現在ブラジルが3連覇しており、ドイツ → 南アフリカ大会と連続してW杯の優勝を逃している。

しかし、今回のブラジルは開催国であり、優勝の大本命とひと味違う。安定した試合運びで危なげなくグループリーグを首位通過しており、このジンクスが破られる可能性は十分あるか。

・監督が自国籍

最後にご紹介するのは「監督が自国籍でないと優勝できない」というジンクス。これは第1回大会から続いているものであり、実に興味深いものとなっている。日本がそうであるように他国籍の監督が指揮を執ることはめずらしくないが、実は自国籍の監督でなければ優勝できていないのだ。

現段階では、敗退が決定した国を除くとブラジル、韓国、ガーナ、ナイジェリア、イタリア、オランダ、ベルギー、ドイツ、フランス、ポルトガル、アルゼンチン、ウルグアイ、メキシコが残る。最終節ではさらに絞られるがその結果はいかに。

・ジンクスが導きだす優勝国

これらのジンクスで優勝国を導きだすと「アルゼンチン」が最有力となる。ここまでアルゼンチンはメッシ選手の活躍もあり、現在2連勝でグループリーグ突破をすでに決めているぞ。

しかし最初にもお伝えしたようにジンクスは破られるためにある。前大会ではスペインが「欧州と南米の国が交互に優勝する」、「初制覇は自国開催」というジンクスを破っているだけに今大会も新たな歴史が生まれるかもしれない。

これからも行なわれるグループリーグ最終節では、決勝トーナメント進出を懸けたさらにアツい戦いが繰り広げられるだろう。果たしてジンクスは打ち破られるのか……。W杯を楽しむ本番はこれからである。

執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.