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みなさんは「ギンビス」という会社をご存知だろうか? 社名を知らなくても『たべっ子どうぶつ』や『アスパラガスビスケット』、『しみチョココーン』と聞けば「ああ!」と思い出す人も多いだろう。きっと一度は食べたことがあるあのビスケットの会社だ。

そのお菓子を作っている会社にゆかりのあるカフェが銀座にあるという。「ギンビスゆかり」というの確かだが、公式サイトもなく詳細は不明。ギンビスのお菓子が食べられるのかなぁ……? 気になったので行ってみた

・銀座一丁目の『銀座ベーカリー』

ギンビスゆかりのカフェとは、銀座一丁目にある『銀座ベーカリー』だ。青を基調としたシンプルでレトロな看板。「ギンビス」とは1ミリも名乗っていないので言われないとわからないくらいだ。

・不思議な不思議な「カステラビスケットサンド」

ここの名物は何と言っても1日30個限定の「カステラビスケットサンド(300円)」だ! 『銀座ベーカリー』はとくにWEBサイトなども持っていないが、クチコミで広がり毎日売り切れ必至、予約しないと買えないような人気商品だ。ビスケットにたっぷりと生クリームをはさんだもの……なのだが、手で持つととってもフ~ンワリとしていた。

え? これビスケット!? ビスケットと言えば、その名の通りザクザクバリバリと食べる硬いお菓子だ。それが程よい水分と空気をはらみ、フワッフワのホロホロな食感になっているのだ。まるでスポンジケーキかカステラである。

だが、表面に押された刻印を見ると、それが確かにビスケットだったことがわかる。カステラだったらこんな深い刻印を入れることはできないだろう。うわぁぁ……これは一体どういうこと!?

・ビスケットメーカーの力が発揮されたお菓子

店長さんに聞いたところ、ビスケットにひと手間加えることによって、カステラのようなフンワリ食感になっているそうだ。

しかし、どんなビスケットでも同じようにフワフワになるというわけではなく、このビスケットサンド用の製法のものでないとこの食感にはならないという。さすがビスケットメーカーの作るものは違うなぁ! ビスケット1枚がこんなに奥が深いものだなんて!!

・クッキーもほかにはない味! 発売当時のレシピのお菓子も

ビジュアルは、ビスケットサンドほど華やかではないが「アメリカンクッキー(250円)も是非押さえておきたいところ。中まで焼けているのに水分がかなり保たれているのだ。クッキーなのにパウンドケーキのような食感……これは新しい!! 

この食感のポイントは生地の作り方であるそうだが、そこは企業秘密とのこと。秘密にしちゃうくらい特別な食感なので、お店を訪れた際は是非とも試してほしい。また、ギンビス商品『アスパラガスビスケット』の発売当初のレシピを再現した『セサミスティック』も要チェックである。

・『銀座ベーカリー』は歴史あるお店

かろうじて『アスパラガスビスケット』っぽい商品はあるものの、ギンビス感はあまりない『銀座ベーカリー』。聞けば、ベーカリーの方が歴史が古いそうだ。

ギンビスはもともと宮本製菓として創業、その後『銀座ベーカリー』を経営していたが、レストラン事業から撤退しお菓子事業に特化。「銀座ビスケット=ギンビス」と社名を変更したという。

そして現在に至るわけだが、社是にある「真心をこめて食生活に貢献すること」を実践する店舗として、『銀座ベーカリー』を復活させることになったのだそうだ。ただ、メインメニューの開発にこだわりすぎて1年以上もグランドオープンできずでいるという。

・ぶっちゃけ、ずっとプレオープン状態で大丈夫なのか聞いてみた

商品から強いこだわりと信念を感じたが、さすがに1年はちょっと長いのでは……ギンビスファンとしてちょっと心配になってしまったので、実際のところどうなのか店長さんに聞いてみた。すると

「(新しい形を)模索する場なので中途半端なものを出してもしょうがない」
「お客様にお待ちいただいているからには納得いくまでやるべきだと思っています」

という頼もしい回答が返ってきたぞ。

単なる焼き菓子専門店としてやっていくなら、お菓子のバリエーションを増やせばいいが、そうではなく『銀座ベーカリー』では「ここにしかないもの」を目指しているそうだ。確かに、オリジナルレシピの『アスパラガスビスケット』も秘密の製法のクッキーも、不思議な食感のビスケットサンドもほかでは見たことがないものばかりだ。

・で、メインメニューはどうなるの?

ちなみに開発中のメニューについてチラっと聞いたところ、ビスケットを使った軽食という構想があるそうだ。ビスケットが食事になっちゃうなんて、ビスケットのポテンシャルを十二分に引き出したメニューになりそうな予感である!

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 銀座ベーカリー
住所 東京都中央区銀座1丁目5‐5
電話 03-3538-0155
時間 月~土11:00~20:00 日11:00~18:00 
休日 不定休

Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.

▼『銀座ベーカリー』、有楽町線「銀座一丁目」から徒歩5分ほど
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▼レンガ通りにあるぞ
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▼こちらが人気商品の「カステラビスケットサンド」
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▼ビスケットに生クリームが挟まれている
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▼この刻印がビスケットの証! 金型は以前のレストラン営業時のものを使っているそうだ
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▼切ってみた
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▼! これがビスケット!?
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▼焼き上がり時は硬いが、クリームと冷却により、ビスケットの食感が変化するのである
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▼ホロホロ、フワッフワだ
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▼売り切れ必至なので、買いにいく際は電話で予約しておくことをオススメするぞ!
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▼こちらがアメリカンクッキー、見た目はコンビニでも売っていそうだが……
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▼中身が全然違った!
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▼水分を保持しつつ焼き上げているのだ。ほんのりした甘さがジュワ~っとくる
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▼発売当時のアスパラガスビスケットのレシピで作った「セサミスティック」
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▼アスパラガスビスケットを並べてみた(アスパラガスビスケットは筆者が持ち込んだもの)
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▼長い方がセサミスティック、短い方が現アスパラガスビスケット
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▼現在のもの(右)は柔らかく空気の層が入っている。セサミスティックは小麦粉がギュッとつまった硬めの仕上がりだ
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▼ドリンクをオーダーすればつけあわせで出してもらえるので、これで味見してみてもいいかも
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▼晴れの日はテラス席も利用できる、銀座って感じですなぁ!
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