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よく「この店の◯◯を食ったら、もう他の店で◯◯は食えなくなるぜ……」というグルメ世界の殺し文句がある。なんだかんだ言って、いつかは他の店でも食っちゃうのだが、それほど美味いという意味である。

そんな「もう他の店で◯◯は食えなくなる」の殺し文句が、まさにピタリと当てはまる、レジェンド的な美味さをほこる究極至高の「うなぎ屋さん」が、東京は東長崎に存在する。その名も……そのまんま『鰻家』(うなぎや)だ!!

・ホンダのレジェンドが愛したうなぎ

実はこの店、世界の「ホンダ」の創業者、ホンダのレジェンド的存在である「本田宗一郎」氏が心から愛したうなぎ屋としても、一部のファンの間では有名である。なんでも本田宗一郎氏は「この店以外ではうなぎを食べなかった」なんて伝説まである。

・肝焼きは在庫を確認したほうがいい

店に行く前にネットで情報を収集していると、どうも「きも焼」がヤバイらしい。とんでもない美味さだというが、数に限りがあるので事前に電話してから行ったほうがいいとのこと。電話すると「かろうじて2本ある」との返事なので急行した!!

・いかにも美味そうな雰囲気

西武池袋線「東長崎」駅の南口にある商店街を進んでいくと、こじんまりとしたうなぎ屋さんが目に入る。ここが伝説の男が愛したうなぎ屋『鰻家』だ。店内は清潔かつ、“いかにも美味そうな雰囲気” がプンプンしている……。私の心の期待値メーターは早くもレッドゾーンを振りきった!

・うなぎの価格は変動しているので価格も要注意

注文したのは「うな重」だ。松竹梅のランクが用意されており、その上が「特」。取材時は2014年の3月ごろで、「特」の価格は3700円。しかし、ご存知の通り、うなぎ価格は上昇しまくりなので、今現在の価格はさらに上昇していると思われる。要確認だ。

・本田宗一郎氏が食べていたのは「特上」

ちなみに特の上は「特上」で、その時の価格は6000円であった。本田宗一郎氏が食べていたのも「特上」であるが、とりあえずは「特」を注文。あとは待望の「きも焼」も注文。この時の価格は1本800円であったが、決して高いとは思わない。食べれば分かる。そして下記の説明を読めば意味が分かる。むしろ安いと。

・1本につき12〜13匹ぶんの肝を使っている!

とりあえず「きも焼」のヤバさからお伝えしたい。とんでもないド迫力と、とんでもないボリュームの極太きも焼であり、話を聞けば、1本につき12〜13匹ぶんの肝を使っているとのこと! 一般的なきも焼きの数倍だ!! だがしかし、だがしかし……

・きも焼の概念が変わるほどの圧倒的な柔らかさと香ばしさ!

まるで……溶けるように……「ホワンッ」と…… “きも” の美味さが口の中で花開く! 生臭さなんて皆無ッ! 圧倒的な柔らかさと香ばしさ、そして “きも” の美味さが強烈に濃縮! 「これが究極系のきも焼なのか!」と雄叫びなるほどの美味さである。なんでも1本1本、焼いている最中に “くし” でプシプシと穴を開けているらしい。1本入魂、それが『鰻家』のきも焼だ!

・うな重は「雲の上に行ったような美味さ」だった

まだまだ「きも焼」について書きたいが、そろそろ「うな重(特)」のヤバさも書かねばならない。当たり前だが、うまい。ケタ違いに美味い。どんな美味さかを何かに例えて表現するならば、そう、まるで「雲」のような……自分が天空に行ってしまったかのような美味さなのだ! パクっと口に入れた瞬間、分厚く香ばしい「うなぎ」が、いつのまにか……溶けている! まるで粉雪が解けるがごとく、「ふわっ」と口の中で溶けてしまうのだ!

・こんなに美味いうなぎを食べたのは人生初!

ふわりと解けた香ばしい肉厚のうなぎが、口の中でごはんと合体。この状態をホンダ的に表現するならば、ごはんがバイクで、うなぎはライダー。ほれほれするほどの一体感であり、まさに人馬一体なライディング。そして、口の中で「美味さ」だけを残してフルスロットルで駆け抜けていく……!!

一体これはどういうことだ。今まで食べてきた「うなぎ」は、一体何だったのか。私は幼い頃からうなぎが好きで、いろいろ食べてきたつもりだったが、こんなに美味いうなぎを食べたのは人生初。嘘ではなく、本当に美味すぎて泣きそうになったほどだ。

・特上は、さらにヤバイ。絶対に後戻りできなくなる

女将さんいわく「特上は、さらにスゴい」とのこと。もしも特上を食べてしまったら、もう「特」に戻れなくなるのは間違いない。そして、本田宗一郎氏のように、「他の店のうなぎが食べられない」という状態になるのも確実であろう。

・「特」の時点で、他の店のうなぎが食べられなくなってしまった

ちなみに、お新香も、お吸い物も、店の雰囲気も、大将の職人っぷりも、そして女将さんの優しさも、すべてにおいて絶品であった。「特」の時点でこれである。現時点で、他の店のうなぎは食べられなくなっている。いいや、ある意味、「特」にしておいてよかったとも言える。まだ「特上」を食べる楽しみが残されているからだ。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 鰻家(食べログ
住所 東京都豊島区南長崎5-18-17
時間 11:30~20:30
休日 第2、第3、第4金曜日

Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
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▼西武池袋線「東長崎」駅の南口にある商店街を進んでいくと……
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▼伝説の男が愛したうなぎ屋『鰻家』がある
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▼これが「特」のお重である。開けてみると……
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▼見事である。ぱっと見るだけで説得力がある「うな重」だ
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▼この写真を見ただけで、味を思い出してヨダレがたれてくる
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▼アップで喰らえ!
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▼口に入れた瞬間、天空にのぼる気持ちになる
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▼ド迫力!! これが1本入魂、伝説の「きも焼」だ!
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▼きも焼きファンなら、このスゴさが分かってくれると思う!
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▼お新香もヤバイうまい。お新香が美味い店は、ほかも美味い
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▼肝吸いだって、この迫力! すべてにおいて完璧すぎた
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▼お酒を頼んだら「うなぎの骨」のオツマミが出てきた!!
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▼本田宗一郎氏は、いつもこの席に座っていたとのこと
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▼ミシュランガイドに載るのも時間の問題だ!!
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