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ミュージシャンは一見華やかな職業に見える。その中でも、世界的に名前が知られているミュージシャンは、「想像がつかない世界に住んでいる」というイメージを持たれがち。ただ、今でこそステージでスポットライトを浴びる彼らだが、ブレイクする前は、普通の人と同じく何らかの仕事に就いていた人が多い。

そんな有名ミュージシャンの前職や学生時代にやっていたアルバイトが、海外サイトに掲載されていたので紹介したい。「イメージ通り!」という人もいれば、「想像できない……」という人など様々だ。

1. オジー・オズボーン → 食肉解体処理作業員

ヘビーメタルバンド「ブラック・サバス」のボーカルとして、またソロアーティストとして、多くの伝説を残してきた “闇の帝王” 、オジー・オズボーン。10代の頃、彼は食肉解体処理作業員として働いていた。

牛の死体を切り分けたり、胃に残っている消化物を取り除いていたんだぜ。毎日、吐いていたものさ」とオジーは当時のことを語っている。なお彼によると、その匂いは「ナイスだった」とのこと。

2. カート・コバーン → 清掃員

カート・コバーンが、自分の中退した高校の清掃員としてアルバイトしていたことは、ファンの間では比較的よく知られた話。一緒に働いていた仲間の中には、便器を素手で掃除し、手を洗わずにそのままご飯を食べるような “強者” がいたそうだ。

3. コートニー・ラブ → ストリッパー

そのカート・コバーンの妻として有名なコートニー・ラブは、音楽活動の資金を貯めるために、ストリッパーをしていた。

4. デビット・ボウイ → 精肉店の配達員

グラムロックの先駆者、デビッド・ボウイ。少年の頃の彼は、ロニー・ロスというミュージシャンからサックスを教わっていた。その授業料の足しにするため、彼は精肉店の配達員をしていたらしい。バイトをしていたと言っても、当時わずか13歳である。

そして11年後、デビッド・ボウイはロニー・ロスと共演することになった。彼がルーリードの曲『Walk On The Wild Side』をプロデュースすることになった際、サックスのソロを吹いたのが、何を隠そうデビッド・ボウイのかつてのサックス教師、ロニー・ロスなのだ。

5. ノエル・ギャラガー → バンドボーイ

元「オアシス」のボーカル兼ギタリストのノエル・ギャラガーは、イギリスのオルタナティブロックバンド「インスパイラル・カーペッツ」のバンドボーイをしていた。本人いわく「音楽史上、最高に服装がバッチり決まっていたバンドボーイだった」そうだ。

6. ケリー・オケレケ → 映画館スタッフ

イギリスのバンド「ブロック・パーティ」でフロントマンを務めるケリー・オケレケは、バンドのフォーストアルバム『サイレント・アラーム』がヒットするまで、映画館でポップコーンやお菓子を売っていた。

7. ブランドン・フラワーズ → カジノのベルボーイ

「ザ・キラーズ」のボーカル、ブランドン・フラワーズ。彼はバンド活動をするかたわら、ラスベガスのカジノホテルで、ベルボーイとして働いていた。

8. ミック・ジャガー → 病院スタッフ

18歳の時、ミック・ジャガーは、病院で荷物運搬のアルバイトをしていた。現在は健康オタクとしても知られていることを考えると、やや納得!? ちなみに彼は、その病院に勤務する看護婦で、初めて女性を知ったという情報も……。

9. デボラ・ハリー → バニーガール

「ブロンディ」のボーカル、デボラ・ハリーは、1970年代にニューヨークのプレイボーイクラブで、バニーガールとして働いていた。

10. フレディー・マーキュリー → 古着店店主

フレディー・マーキュリーは、ロンドンのケイジントンマーケットで自身の古着やイラストを販売していた。「クイーン」がファーストアルバムをリリースするまで、彼は店を営んでいたとのこと。なお店を手伝っていたのは、同じバンドのドラマー、ロジャー・テイラーである。

11. ジャービス・コッカー → 鮮魚店従業員

独特の存在感を放つ「パルプ」のフロントマン、ジャービス・コッカー。10代の頃、彼は引っ込み思案な性格だったそうだ。そのためか、母親の「環境にもまれて、たくましい男になるように」との考えに従い、鮮魚店で働かされていたらしい。主に担当していたのは、カニを洗う業務とのこと。

12. ジェイ・Z → ドラッグディーラー

アメリカを代表するラッパーのジェイ・Zは、若い頃ニューヨークの路上でコカインを売っていた。その時に身につけたお金にまつわる知識は、後の人生で大いに役立ったという。

13. ロッド・スチュワート → 墓堀り作業員

ロッド・スチュワートは、一時期ロンドンの墓地で墓堀り作業員として働いていた。彼の自伝によると、実際に堀る作業よりも、掘る区画の計画業務を担当していたらしい。また、葬儀場で働いていたこともある。

14. カニエ・ウェスト → GAP 店員

日本でも店舗を展開する人気カジュアルブランド、GAP。その店員として、後に世界的なヒップ・ホッパーとなるカニエ・ウェストは働いていた。当時の経験は、ラップにもなっている。

15. トム・ウェイツ → ピザ店店員

男臭いシンガーの代名詞的存在であるトム・ウェイツは、米カリフォルニア州、サンディエゴのピザ店でピザを焼いていた。元々は皿洗いだったが、すぐに調理担当に抜擢されたとのこと。

16. パティ・スミス → おもちゃ工場作業員

パンクの女王、パティ・スミスは、おもちゃ工場で、箱を組み立てたり、おもちゃの検査などをしていた。ただ人間関係的には苦しい時期だったようで、他の女性作業員たちからイジメを受けていたらしい。

17. キース・リチャーズ → テニスコートのボールボーイ

「ローリング・ストーンズ」のギタリスト、キース・リチャーズは、意外なことに、子供の頃はテニスコートでボールボーイをしていたのだ。ステージでギターを豪快に弾きこなす、 “永遠の不良中年” が、まさか他人の打ったテニスボールを拾っていたとは……。

18. モリッシー → 国税局員

さらに意外なのが、UK パンクバンド、ザ・スミスのボーカルであるモリッシー。彼は少しの間ではあるもの、国税局員として働いたことがあるという。そのため、音楽雑誌に投稿する際「私は国税局員なのですが、パンクロッカーの資格はあるでしょうか?」と書いたこともあったのだとか。

19. イアン・カーティス → 公務員

同じく意表を突いてくるのが、早逝の天才パンクロッカー、イアン・カーティスだ。ナチスドイツの強制収容所内にあった慰安所を意味するバンド「ジョイ・ディヴィジョン」のフロントマンとして有名な彼だが、ブレイクする前は公務員をしていたのだ。職業斡旋関連の業務をしていたとのこと。

20. アート・ガーファンクル → 数学教師

逆に、妙にしっくりくるのがアート・ガーファンクル。相方のポール・サイモンとともに、美しいハーモニーを聞かせてくれる彼は元数学教師。知的な風貌ゆえに、教壇に立っている姿が似合いそう!?

参照元:NME(英語)
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼こちらがデビッド・ボウイがプロデュースしたルー・リードの代表曲『Walk On The Wild Side』。かつてのサックス教師ロニー・ロスのソロは3:37〜

▼GAPで働いていた時の経験を歌詞にしたカニエ・ウェストの『SpaceShip』