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奇想天外なストーリーと迫力ある演出で、世界中のファンを大いに楽しませる米プロレス団体「WWE」。エンターテイメント色が強い団体だが、人々に生きる希望を与える存在でもある。

たとえば、難病を抱えた8歳の少年とWWEの交流が描かれた動画『WWEから「コナー・ザ・クラッシャー」へ捧ぐ5分19秒のプレゼント』には、そんな一面がとてもよく表れている。再生回数もウナギ登りで、世界中の感動を誘っているぞ!

・「WWE選手に会いたい!」コナー君の夢

脳腫瘍と診断されたコナー・ミチャレク君はWWEが大好き! 彼は「WWE選手のダニエル・ブライアンに会う」という夢を抱いていたが、NGO団体「メイク・ア・ウィッシュ」の助けを借りて、2012年に実際に憧れのブライアンとの対面を果たした。

そして2014年。コナー君の命がもう長くはないことを知ったWWEは、彼に “希望を持ってもらいたい” と、新たなサプライズを用意したのである。なんと……コナー君をWWE選手としてリングに登場させたのだ!

・リングネーム「コナー・ザ・クラッシャー」で悪役と対戦!

大会が始まる前の、まだ観客が入っていない会場でコナー君の試合は行われた。対戦相手は、あの「トリプルH」だ! 多くの有名選手たちが見守る中、コナー君はブライアンと共に入場してリングイン!

最初は、トリプルHを前にして「パンチなんてできないよ」と言っていたコナー君だったが、勇気を出してパンチを繰り出す! たまらず相手はダウンして、セコンドのレスラーたちも「カバーしろ!」と大声援!

・しっかりと「片エビ固め」の状態でフォール勝ち!

そしてコナー君はフォール状態に入り……しかも、しっかりと「片エビ固め」の状態でフォールをしており、ワンツースリーでフォール勝ち!! まわりにいた選手たちからもコナー・コールが巻き起こり、会場は温かい雰囲気に包まれた。

この出来事についてブライアンは、「そこにいた全員が、ただただその光景に感動したと思う。自分たちが、1人の子供の人生に与えられる影響の大きさを目の当たりにすることができたのだから」と語っている。

それから1週間後の2014年4月6日、世界最大規模のプロレス大会「レッスルマニア」でWWEヘビー級チャンピオンとなったブライアン。リングから降りると、彼は真っ先に最前列で試合を観戦していたコナー君の元に駆け寄り、「君は僕に大きな力をくれる。君は僕がチャンピオンになるのを助けてくれた。そして君も戦い続けてくれ」とギュッと彼を抱きしめたのだった。

とても悲しいことだが、2014年4月25日、コナー君は8年間の人生に幕を下ろした。WWEのヒーローたちに強く勇気づけられた彼の最後は穏やかなものだったはず……。そう願わずにはいられない。

参照元:YouTubeHouston Press(英語)
執筆:小千谷サチ

▼日本語字幕あり

▼字幕なし

▼2012年に初めてダニエル・ブライアンに会ったコナー君