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世界的な禁煙の機運の高まりを受けて、路上喫煙を禁止している地域が増えている。また駅から喫煙所を遠ざけたり、喫煙所そのものを撤去するというケースも多く見受けられる。皆さんの会社ではどんな取り組みをしているだろうか?

ベランダに喫煙所を設けていたり、社内では禁煙にしているというところも珍しくないだろう。記者(私)は最近、スマートフォン向け広告大手「ADWAYS」に訪問する機会があった。同社では、社内の喫煙者に連帯的に制限を設けている。これがなかなか画期的だったのでご紹介したいと思う。

・1フロアに400人

同社は2014年5月7日に、業務拡大と人員増加にともない本社を東京・新宿グランドタワーに移転した。約400人の社員が1フロアにデスクを並べて業務を行っている。間仕切りやパーテーションの類はほとんどなく、フロアの端から端までおおよそ見渡すことができる。

・休憩エリアに喫煙スペース

そのフロア中央に休憩エリアが設けられており、そこで軽いミーティングや休息をとることが可能だ。そのエリアの両端に喫煙スペースがある。スペースは街で見かけるような、透明アクリルで囲いが施されており、2台の据え置き型灰皿が置かれている。一見普通の喫煙スペースだ。だが、社員が利用するためには、ちょっとした手続きが必要になる。

・喫煙本数を自己申告

まず、スペースの前に設置されたタブレット端末で、自分の名前を検索して「入室」を押す。定員は最大8名なので、そのなかの1人として自分が利用していることを申告する訳だ。そして喫煙した後に、「喫煙本数」を申告することになる。

・喫煙可能残数は全部で2万4000本

実は喫煙スペースには「喫煙可能残数」というのが設けられており、1つのスペースにつき1万2000本の喫煙上限として設定されているのである。つまりスペースは2カ所あるので、最大2万4000本が会社全体の喫煙本数の限度ということになる。誰が何本吸っても構わないのだが、1カ月の喫煙本数が全体でこの数字に達してしまうと、喫煙者全員が翌月までここでタバコを吸えなくなるのである。

・1人当り1日6本が限度

「喫煙者連帯制限制度」とでも言おうか。ちなみに同社には喫煙者が約200人おり、ざっくりと計算すると1人当りの喫煙本数は月間120本。20日間の勤務として換算すると、社内では1日6本しか吸えないことになる。要するに、これを超えると誰かが吸えるはずのタバコを吸ってることになる訳だ。なかなか優れたルールではないだろうか。

・吸煙システムは超優秀

ちなみにここの吸煙システムは非常に優秀で、喫煙スペースに入ってもほとんどタバコの匂いがしない。したがって、休憩エリアにはまったくと言って良いほど、タバコ臭さが漂っていないのである。さて、5月に移転してきたばかりの同社の喫煙社員たちは、今度このルールの下で喫煙をある程度管理されて行く訳である。この先、どれくらいの人が禁煙に踏み切ることになるのだろうか。気になるところである。

取材協力: 株式会社ADWAYS
Report: 佐藤英典
Photo: Rocketnews24
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▼東京・西新宿に移転してきたばかりの株式会社ADWAYS
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▼1フロアで約400人の社員が仕事をしている
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▼中央に設けられた休憩エリア
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▼その両端に1カ所ずつ喫煙スペースがある
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▼社員は入室するときに、あらかじめ登録されている名前を検索し、「入室」を申告しなければならない。退室するときには「喫煙本数」を入力。なお、喫煙スペース1カ所につき、月間喫煙可能残数は1万2000本と設定されている。この数は次第に減っていく
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▼ちなみにここの吸煙システムは超優秀。タバコ臭さをほとんど感じない
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