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福岡県といえば、全国でも有数のラーメン激戦区だ。増税の影響で多くの店舗が値上げをしている中、なんと『ラーメン1杯100円』で提供しているお店が福岡市南区野間(のま)にある。

1968年(昭和43年)から営業している『勝龍軒(しょうりゅうけん)』がそうなのだが、悲しいことに2014年4月末で閉店するそうだ。長年貫いてきた100円に込められたその思いとは……。

・100円ラーメンとは

1972年(昭和47年)からメニューにある「100円ラーメン」。100円と聞くと不安になる値段だが、実際に出てきたラーメンを見て驚く。チャーシュー、ネギ、キクラゲが入っており、本格的なラーメンなのである。

ラード油、ニンニク等は使用しておらず、アッサリとしたとんこつラーメンでどこか昭和の香りがする優しい味。子供たちに気軽に食べて欲しいという理由から先代の青木英子さんが値段を100円に設定したそうだ。

・閉店の理由

現在、店を切り盛りしているのは娘の日登美さん。直接具体的な話を聞くことはできなかったが、閉店の理由は安価で卸していた製麺所が廃業することになったからだそうだ。

「値上げして営業して欲しい」という声は当然あるだろう。しかし、値上げをしない理由に先代の英子さんの「100円でラーメンが出せなくなった時は店を閉める時」という言葉があるとのこと。そう、閉店はその遺志を受け継いでいるのだ。

・『勝龍軒』の閉店に対するネットユーザーの声

「悲しすぎる。。」
「勝龍軒が閉店するんだ…ショック…」
「勝龍軒閉店か。。。久しぶりに行ってみたいな」
「行かないと!(>_<)高校時代行ってました」
「今月末で閉店とのことで、食べに来ました。100円で色んなあったかいものを貰いました。」
「え。。。嘘だろ。。。。勝龍軒閉店!?え。まじかよ。。。。あの100円ラーメンもう二度と食えないの!!?」

……といったように学生時代や青春時代をお店と共に過ごした人も多く、閉店を悲しむ声が見られた。「100円」で多くの人が笑顔になってきたことが想像できるだけに本当に惜しまれる閉店である。

・「飛鳥の時計」も健在

氷川きよしさんや CHAGE&ASKA の飛鳥涼さんがよく訪れたという『勝龍軒』。お客さんの間で有名な「飛鳥の時計」は変わらず置いてあり、時計の針は止まったままであった。まもなく時が止まる『勝龍軒』の時間。食べることのできなくなる古き良き味を一度味わってみてはいかがだろうか。

・今回ご紹介した店の詳細データ

店名 勝龍軒
住所 福岡県福岡市南区野間1−6−9
時間 11:30~20:30(変動あり)
定休日 第3木曜日

参照元:Facebook 勝龍軒
Report:原田たかし
Photo:RocketNews24.

▼店頭外観
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▼「100円ラーメン」の愛称で親しまれている
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▼とても100円とは思えない
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▼どのメニューも安く提供されている
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▼カウンター7席、立食も可能
kaunta
▼メニューも豊富だ
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▼こちらは1日5杯限定の「贅沢ラーメン」
gentei
▼店内には2つの時計がある
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▼針が止まったままの『飛鳥の時計』
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