自分で自分を撮影することを “自撮り” というが、芸能人のみならず一般人の間でもブログや SNS に自撮り写真を載せる人が急増し、一種の社会現象にまでなっている。そんななか、ある専門家が「自撮りにハマる人は、自分の美醜に極度にこだわる “身体醜形障害” である可能性が高い」と指摘し反響を呼んでいるのである。

・自撮りにハマる人は身体醜形障害の可能性

自撮りと身体醜形障害の関連性を指摘しているのは、英ロンドンの病院「South London and Maudsley NHS Trust and The Priory Hospital」で顧問精神科医を務めるデヴィッド・ヴィール博士だ。

博士によると、彼を訪れる身体醜形障害患者の3人に2人が、強迫的に SNS に自撮り写真の投稿を繰り返す衝動に駆られているというのだ。自撮りを繰り返す身体醜形障害者は、自分の容姿的欠陥が写らないよう何度もカメラの角度やポーズを変えて、何時間でも写真を取り続けるのである。

「自撮りは依存ではなく、自分の容姿を確認せずにはいられない身体醜形障害の徴候です」と述べる博士は、患者の症状を和らげるために認知行動療法(認知に働きかけて気持ちを楽にする精神療法)を施している。

・身体醜形障害で自殺を図った少年

ある極端な例を挙げると、イギリス在住で15歳のダニー・ボウマン君は、完璧な自撮り写真で女の子にモテようと200枚もの写真を10時間かけて撮影するようになった。そしてこの習慣のせいで学校を中退するハメになったうえ、13キロ近く体重が減ってしまったのである。

挙句の果てに家に閉じこもり、半年かけても完璧な写真が撮れなかった彼は、とうとう自殺を図ってしまったのだ。幸い大事に至る前に母親に発見されたダニー君は、一命を取り留め身体醜形障害の治療を受けることになった。

・自撮りは精神疾患の原因になる可能性が

このほか自撮りは、自己陶酔や自尊心の低さといった精神的にネガティブな要素を引き出し、精神疾患の原因になる可能性があると他の専門家にも指摘されている。特に自撮りに夢中になっている若者は自己意識や自信が欠如しているサインで、将来的に精神疾患を誘発する恐れがあると懸念されている。

自分が思っているほど人は他人のことを気にしておらず、ましてや他人の写真の写り具合など何とも思っていないものだ。何時間も自分の写真を撮る時間があるなら、その時間をもっと有意義に使ってほしいと思ってしまう。

参照元:Mail Online(英語)
執筆:Nekolas
Photo:Rocketnews24.