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「たいめいけん」といえば、オムライスが有名な洋食店である。その昔、映画監督の伊丹十三氏が、チキンライスのうえにプレーンオムレツを乗せるというアイディアを出し、完成したのが映画『タンポポ』にも登場した、「タンポポオムライス」である。現在お店の名物としてすっかり定着している。

・50円でボルシチ!

実はお店には、このほかにも名物があるのをご存じだろうか? おいしい料理がいろいろと用意されているのだが、コールスローとボルシチが驚くような価格で提供されている。いずれもお値段なんと50円! 消費増税で値上がりが続くなかで、この値段は大変うれしい! しかもさすが、洋食の老舗だ。文句なくウマいッ!!

・安いからと侮るな

50円だからと侮らない方がいい。手抜きやあまり物の類ではないのだ。コールスローは、よくカフェやレストランで提供されるようなランチサイズの小鉢に入っている。そしてボルシチは、きちんとスープボウルで提供されるのだ。

・大き目に切ったキャベツ

見栄えだけで50円を凌駕していると言っても良いくらいだ。コールスローは、大き目に切ったキャベツがガラスボウルにしっかりと詰まっており、野菜はまったくくたびれていない。シャキシャキとした歯ごたえと、酸味のきいたドレッシングが食欲を呼び起こす。

・ボリウム満点!

そしてボルシチは、前菜程度で考えてはいけない。煮込まれてクタクタになった野菜の旨みがギュギュっと凝縮している。しかも、よく見ないと形が捉えられないのだが、ビーツが入っているのはもちろん、ジャガイモも溶け込んでいるので、意外と食べ応えがある。軽い気持ちで食べていると、なんとなくおなかが膨れてくるのだ。店前のメニューには「ボリウム満点」と書かれているのだが、この言葉はウソじゃない。本当にボリューム(ボリウム)満点である。

・あえてラーメンをオーダー

オムライスをオーダーしたい衝動に駆られたのだが、それを抑えてラーメンを頼んでみた。シナチクたっぷりで焼きノリとチャーシューが乗っており、味はしょう油ベース。ラーメンというよりも中華そばという印象が強い一品。麺はつるつるしこしことしており、あっさりとしたスープと良く合っていた。

・オムライスを頼むべきだった

オーダーするときに、気を付けて頂きたいことがある。ラーメンは思った以上に早く出てくる。ボルシチを食べ終わる前に、ラーメンが出てくるので、どちらを食べ進めるのか迷ってしまうのだ。そうこうしているうちに、麺が伸びることも十分ありえるので、オーダーの際には注意。また簡単に想像つくのだが、酸味のきいたスープとしょう油ベースの麺はあまり相性が良くない。やはり王道、オムライスとボルシチの組み合わせがベストマッチなのではないだろうか。

ボルシチとカレーも捨てがたいのだが、やっぱりたいめいけんではオムライスを食べるべきである。とにかく50円のボルシチ・コールスローを堪能して頂きたい。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 たいめいけん(1F)
住所 東京都中央区日本橋1-12-10
時間 平日11:00~21:00、日祝11:00~20:30
定休日 無休(2Fは日祝)

Report: 佐藤英典
Photo: Rocketnews24

▼これが50円のボルシチとコールスロー
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▼コールスローは大き目にキャベツがカットされている
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▼野菜たっぷりのボルシチ
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▼ジャガイモも溶け込んでいるらしく、食べると結構おなかが膨らむ
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▼50円メニューだけのオーダーはできない。一緒にラーメンをオーダー
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▼しょう油ベースの昔ながらの中華そば
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▼ちなみに表の看板には、ボルシチは「ボリウム満点」と書かれている
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▼時間のない方は、建物の裏手に回るとラーメンコーナーがあるので、こちらを利用すると良い。ボルシチもコールスローもオーダー可
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