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2027年に首都圏から中京圏の区間で、先行開業を目指して計画が進められている「リニア中央新幹線」。これが実現すれば、東京・名古屋間が最速40分で結ばれることとなる。まさに夢の新幹線になる訳だ。

他の地域でも、リニア新幹線の運行を模索する動きがあるようだ。読売新聞の報じるところによると、大阪・下関間を1時間で結ぶ「リニア山陰新幹線」の構想が持ち上がっているそうだ。ただし順調に行ったとしても実現は100年後……。普通の新幹線すら走っていないのに、本当に実現するのか……。

・2013年に会議設立

同紙によると、島根・鳥取・山口・兵庫・京都・大阪・福井の7府県の市町村からなる「山陰縦貫・超高速鉄道整備推進市町村会議」が、2013年6月に設立されたそうだ。これが実現すれば現在2時間かかる大阪から下関の区間を1時間に短縮できる。さらに福知山で分岐して、敦賀を終着駅とする北陸新幹線に接続するルートを1時間で結ぶことが可能になると考えている。

・厳しい現実

だが、現状は厳しいと言わざるを得ないだろう。従来の新幹線すら通っていないのに、リニアを走らせるだけの基盤を作るのには膨大な費用がかかる。従来の新幹線でさえ4兆円かかるのに、リニア新幹線になると10兆円も規模になると見込まれているからだ。

・過疎地域はさらに過疎化

島根出身の記者(私)からすると、まずは新幹線を通す方が先ではないかと思うのだが。もうひとつ気になるのは停車駅だ。新幹線の停車駅に選ばれなかった地域は、過疎化にさらに拍車がかかるに違いない。関西方面から鳥取・島根・山口へ観光客が訪れて、経済効果も十分にあると思うのだが、取り残された地域は完全に素通りされることになるはずだ。

それにしても、100年後に実現と言われても、いまいちピンと来ない。残念なことに、自分は生きていないということだけは、はっきりとわかるのだが……。

参照元: 読売新聞
執筆: 佐藤英典
Photo: Rocketnews24