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2014年も2月に入り、プロ野球界ではそれぞれの球団がキャンプインした。新人や FA で移籍した選手が、新ユニフォームに袖を通してプレーをしている姿を見ると、春の開幕が近いことを実感できる。

そんな中、今回は新体制となった中日ドラゴンズに注目。谷繁元信選手が兼任で監督を務めることになったのだが、成功する可能性を過去に監督を兼任した ”あの選手” と比べて紐解いていきたい。

・過去の選手兼任監督

「選手兼任監督」といえば、鶴岡一人氏、藤村富美男氏、楽天前監督の野村克也氏といった歴代の名将がいる。そして記憶に新しいところで挙げられるのは、やはり古田敦也氏だろう。

・古田氏の兼任監督成績

古田氏がヤクルト・スワローズの監督に就任したのは2006年。「代打オレ」というフレーズを覚えている人も多いのではないだろうか。監督としての成績は、就任1年目は3位とAクラス入りを果たしたが、翌年には最下位に沈む結果となった。

一見、たった2年間の成績だが、見逃せないのは古田氏の出場試合数が減少していることだ。2005年までは、チームの主軸として活躍していた古田氏だが、2006年には36試合、2007年にはたったの10試合の出場にまで激減した。

・より緻密になったプロ野球

一昔前ならまだしも、データ野球が主流となった現代のプロ野球での兼任は、よほど負担が大きかったのだろう。各選手の状態把握、試合のコントロールと、とても身体がひとつでは足りない状態であったに違いない。

結果的に古田氏は2007年シーズン終了時に監督を退き、同時に現役引退することになった。選手と監督を両立させることは一筋縄ではいかず、想像以上の難しさだったようだ。

・中日のチーム状況

それでは谷繁監督の率いる中日のチーム状態はどうかというと、ショートの井端選手が巨人へ移籍し、長年鉄壁の守りを見せてきたアライバコンビが解消。谷繁監督自身が守るキャッチャーも若手が育っているとは言えない状況だ。

また、チームの若返りも必須となっており、より多くの選手を把握する必要があるだろう。勝負の世界に「絶対」はない。しかし、前途多難ともいえる厳しいチーム状況である。

今季、目に見える結果がすぐに出る可能性は低いが、チームの再建とV奪回を託された以上は覚悟があるはずだ。果たして谷繁選手兼任監督はどのようにペナントレースを戦っていくのか、その手腕に注目したい。

参照元:YouTube
執筆:原田たかし

▼新人選手入団会見に出席した谷繁選手兼任監督