russian-pooh (1)

『クマのプーさん』といえば、ほとんどの人が「蜂蜜だぁいすき♪」な赤いTシャツを着た黄色いプーさんを思い浮かべるのではないだろうか? そのプーさんはイギリスの児童文学作家ミラン作の『クマのプーさん』を原作に、ディズニーがアニメ化したものである。

実は、ロシアでもプーさんがアニメ化されていたのをご存知だろうか? 見てみると私達が知っているプーさんとは全然違う! まるでタヌキのようなのだが、これはこれでとっても素晴らしいアニメーションなのだ!!

・ロシア版プーさん『Vinni Pukh』

ロシア版のプーさんはロシア語をアルファベットで表記すると『Vinni Pukh』、英語に訳すと『Winnie the Pooh』、要するに『クマのプーさん』である。ロシア版プーさんは、1969年、ソ連時代にディズニー版と同様ミランの小説を原作として制作されたアニメだ。

・タヌキみたいなのが出てきた → プーさんだった

早速、ビジュアルを確認すると……何だかわからないが、茶色のタヌキっぽいモフモフした生き物が出てきたぞ。なんだか、ローソンのタヌキキャラ・ポンタに似ているような……実は、このタヌキっぽいキャラクターこそ「ロシア版プーさん」なのである。なんと! ディズニー版と全然違うぞ!! しかしよく考えたらクマは茶色や黒のモフモフした動物だ。うん、これは確かにクマのプーさんだ。

・お馴染みのキャラも登場 / ピグレットが可愛すぎて泣いた

プーさんだけではなく、お馴染みのあのキャラクターも登場する。まずは子ブタのピグレット。こ、これは!! かわえええええええええ!! 赤く、プクプクしたまんまるほっぺ、走るとプルプル揺れる長い耳に、青いチェックのパンツの柔らかそうなお腹。正直、ディズニー版を凌駕する愛らしさだ。

ロシア版プーさんは、全部で3本制作されている。第1話はプーさんとピグレットが登場。2話ではラビットが登場。ディズニー版にもある、あのラビット宅で蜂蜜をご馳走になりお腹がつっかえて家から出られなくなるというエピソードだ。第3話では、ロバのイーヨーやフクロウ博士も登場するぞ。

・柔らかく繊細な背景が素敵

そして特徴的なのは、色鉛筆で描かれたような繊細で美しい背景だ。草は一本一本描かれたかのように柔らかそう。木の皮もそのままベリっとはがせそうな質感だ。水溜りも、ゆらゆらとうごめく水面が本物ソックリ!! 絵本風味でありながら自然の描写は現代のアニメ以上にリアルである。

・ハイクオリティなソ連時代のアニメ

これが1960~70年代にこれだけのものが制作されていたと思うと感動さえ覚える。同年代のソ連アニメと言えば、大人気キャラクターの『チェブラーシュカ』が有名。また、少し前の1957年に公開されたソ連版『雪の女王』は、当時の日本アニメ界に多大な影響を与え、スタジオジブリの宮崎駿監督に大きな衝撃を与えたことでも知られている。

なおロシア版プーさんは、残念ながら日本ではDVDなどは発売されていない模様。しかし、いつか日本語でも見てみたいものだ。

参照元:Animator.ruRG.RU(ロシア語)
執筆:沢井メグ

▼ロシア版『クマのプーさん』の一部

▼ロシア版プーさん
russian-pooh (5)
▼プーさんと子ブタのピグレット
russian-pooh (2)
russian-pooh (3)
▼ピグレットかわええええええええええええええ!!!!!!!
russian-pooh (4)
▼お馴染みのキャラもいるぞ!
russian-pooh