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突然便意をもよおしたとき、どうするのが最高の選択なのだろうか? 小ならいい。多少我慢できる。だが、大はヤバイ。見知らぬ街でそんな状況に陥ったとき、人は計り知れない孤独と不安にさいなまれる。世界は敵か!? この戦いは俺一人のものか!? 神よ、これは試練であるのか? そう問いたくなるに違いない。

もうダメだ、もうここから先へは進めない。不意に頭のなかを走馬灯のように思い出が駆けめぐり、喪失感に襲われてしまうかもしれない。そんなとき、どうしようもないときに、駆け込むと窮地を脱することができるスポットについて、お伝えしたいと思う。

・小学1年生のあの頃……

少しだけ、私(筆者)自身の話にお付き合い願いたい。あれは私が小学校1年生のときのことだ。1年生といえば、身体よりも大きく見えるランドセルを背負って、お母さんの送り迎えなしで初めて自力で登下校しなくてはならない。入学したばかりの4月は不安しかない。自分は無事におうちに帰れるのかと、ビクビクして家路についたものだ。それが5月になると、慣れてきて寄り道をしたり、遠回りをして帰ったり。この頃になると、ランドセルも板につき始める。そんな矢先に悲劇が起こった。

・猛烈な便意に少年は戦慄をおぼえた

そう、家まであと少しという時に、猛烈な便意に襲われたのである。我が家は当時、公共の団地に住んでおり、敷地にはフェンスがあって正面の入り口からしか入れないようになっていた。だが、距離を考えるとどう考えても間に合わない。私は瞬時に最善の回避策を考えて、フェンスの下の隙間を抜けることに決めた。幸い、小さな子供であれば、腹ばいになって通ることができるほどの隙間だ。意を決してフェンスに飛び込む。ええい! ままよッ! とばかりに腹ばいになったのだが、その衝撃で堤防は決壊。私は泣きながら言えに帰ったのである。

・子どもにとって最大の恥辱

ウンコを漏らすというのは、子どもにとって最大の恥辱だ。このことが露見すれば、翌日から「ウンコマン」や「ウンコ野郎」など、有難くない新名称で呼ばれることにもなりかねない。私はクラスでこの秘密が露見しないように、最重要機密としてひた隠しにし、現在にいたる……。そう、この恐怖が今日まで、心の闇としてその帳を下しているからこそ、窮地を脱する知恵を育んでいるのだ。いざとなったときはここに行くべし!

その1.ホテルのトイレ

もうヤバイ! となった場合、近くにホテルがあったらそこで借りると良いだろう。ホテルは基本的に施設を清潔に保っている。トイレも十分に整えられている。しかも、スペースが広い。窮地に陥ったとき、もし近くホテルを見つけたら、その日は運気が上昇していると考えても良いくらいだ。

その2.公共施設のトイレ

間に合わん! となった場合、近くに図書館や役所などがあったらそこで借りると良いだろう。そもそも公共施設は多くの人が訪れる前提で施設管理されている。したがって、トイレも清潔で、掃除も基本的に行き届いている。ただし、屋外にある公衆トイレは残念なくらいに汚れている場合が多い。トイレットペーパーがなくてバッドエンドということもあり得るので、できるだけ避けたいところだ。

その3.パチンコ店のトイレ

ぬおーーーッ! となった場合、近くにパチンコ店があったらそこで借りると良いだろう。パチンコ店は商業施設のなかでも、かなりの割合で清潔に保たれている。おそらく施設としての管理体制が整っているため、きれいなのではないだろうか。ただし、18歳未満の入店は禁止されているので要注意。

その4.コンビニのトイレ

アヒッ! アヒッ! アヒッ! となった場合、近くにコンビニがあったらそこで借りると良いだろう。最近は特に断りを入れなくてもトイレを貸してくれるコンビニが増えているので大変ありがたい。だが、清掃状況がスタッフの働き方に左右されてしまうのが欠点だ。また、大抵トイレがひとつしかないので、先客が占拠してしまっていた場合は、アヒ! アヒ! アヒ! が続くことになってしまう。店舗数が多い割には、意外に使えない点を考慮すると△だ。

その5.ゲーセンのトイレ

アハウッ!? となった場合、近くにゲームセンターがあったらそこで借りると良いだろう。ゲーセンの場合は、その施設の営業年数によって状況が左右される。新しいお店であればキレイなトイレに期待できるが、老舗の場合には汚れも含めて味のあるトイレの可能性が高い。特に清潔感を求めずに、できればいいやという人向けだ。

・せめて会釈くらいしよう

最後に、言葉も交わせないほど緊急の場合は仕方がないのだが、できるだけお店や施設の業務に影響がないようにトイレを借りよう。もし入店時にあいさつができないほど緊迫していたときは、出るときに会釈くらいはしたいものだ。そして普段から体調管理も怠らないように。

・やつらは決して待ってはくれない

だが、いつ便意が突然襲ってくるかわからない。便意の強襲を受けても平常心を乱さないように、常日頃から便意との向き合い術を心しておくべきだ。やつらは決して待ってくれないのだから……。そうそう、それからもうひとつ、ウンコを漏らしたことがあるのは、お前だけじゃないぞ。忘れるなよな(笑)。

執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24