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若い男性から主婦まで、みんな大好きな食べ放題。最近は食べ放題を実施するお店も増え、そのなかでも特にいま勢いがあるのが、イタリア料理をその都度オーダーしアツアツの状態で食べられる、オーダー制のイタリアンバイキングが大人気である。

たとえば、あの「外食業界の風雲児」として知られる、エムグラントフードサービス社長の井戸実氏もその業態に注目。彼の目にとまり同社の出資で生まれたヴォーノテーブルコーポレーションが東日本運営本部を務めるイタリア料理食べ放題が、『ヴォーノイタリア』だ。

また、有名ピザデリバリーチェーンのピザハットも、イタリア料理食べ放題のレストラン『ピザハット・ナチュラル』をオープン。どちらも人気のお店だが、はたしてどちらの料理が美味しいのだろうか? 実際に両店舗へ行き、食べ比べてみることにしたぞ!

・試食した品は4品

大手チェーンが業態をマネするほど大人気のレストランチェーン『ステーキハンバーグ&サラダバー けん』を作りあげた井戸社長率いる『ヴォーノ・イタリア』と、あのナポリ料理界の重鎮・ガエターノ氏の窯を使用している『ピザハット・ナチュラル』。まさに大物同士の対決となる今回は、とりあえず基本の料理をいただくことにした。

イタリア料理の基本さえ押さえていれば、絶対どの料理も美味しいはず。そこで定番のピッツァとパスタから2品ずつ食べることに。まずはピッツァのなかでも人気ナンバーワンとされる、トマトとバジル、チーズの三色が美しい『マルゲリータ』から実食だ。

【マルゲリータ】

・ヴォーノ・イタリアのマルゲリータ
まず評価するのは、ヴォーノ・イタリアの「マルゲリータ」。チーズがふんだんにかかっているのだが、モッツァレラ特有のあのモッチリ感やミルキーさはあまりなく、ピザ用チーズのような風味を感じた。また、バジルはホームページの写真にあった後乗せの生バジルは無く、加熱したバジルのみであった。

また、ピッツァの形がドラクエのスライムのような微妙にいびつな形になっていたのは、記者(私)がドラクエファンということを察してシェフがデザインしてくれたのだろうか?また、なぜかとんがりの部分のほうは焦げて、下は丁度良い具合に焼けていたことも気になった。

・ピザハット・ナチュラルのマルゲリータ

次はピザハット・ナチュラルの「マルゲリータ」。モッツァレラチーズの白、バジルの緑、トマトソースの赤が見事に三色になっており美しい。耳ももっちりと焼き上げられており、これぞナポリピッツァ! といった感じである。食べ放題のピッツァとしては100点満点をあげたいぐらい美味しい。

ただ、ひとつ改善点をあげるとすれば、トマトソースが中心部分にあまりかかっていない位置があり、若干そこだけ焦げてしまっていたこと。トマトソースをもう少しだけ増やしてあげてまんべんなく伸ばせば、もう完璧である。

【キノコピッツァ】

・ヴォーノ・イタリアのキノコピッツァ
2品目は、チーズがメインの「ビアンコ」と呼ばれるピッツァのなかから、キノコの独特の香りが美味しい「キノコピッツァ」を注文。ヴォーノ・イタリアではイタリアらしく『フンギ』という料理名になっており、料理に対しての自信が伺える。しかし、到着したピッツァを見てあまりの衝撃にイスから転げ落ちそうになってしまった!

なんと、あの伝説の食プロデューサー「園山真希絵」さんの料理をインスパイアしたのだろうか、しめじがピッツァの上に逆立ちしながらそびえ立っているではないかッ!! なぜわざわざ2本のしめじを逆さにしてそびえ立たせたのかは常人の記者(私)には理解不能だったが、前代未聞のテクニックに、謎の芸術性を感じざるを得なかった。

また、隠れたこだわりをさらに発見。ピッツァの窯の炉床の温度をあえて低くし、生地の裏側に真っ白なアメリカの大寒波をほうふつとさせる生の小麦粉(打ち粉)がふんだんに付いていたこともハンパじゃない! まさに冬にピッタリな粉雪のような小麦粉を手に付けながら食べるそびえ立つキノコのピッツァは、何もかもが衝撃的な味であった。

・ピザハット・ナチュラルのキノコピッツァ

ピザハット・ナチュラルの「キノコピッツァ」は、ヴォーノ・イタリアも使っていたチーズと生クリームのほかに、キノコのペーストをふんだんに使用したキノコソースを使っているため、より濃厚なキノコの香りを楽しむことができる。キノコの量も3倍ぐらい入っているので、キノコ好きならぜひ試してほしい一品だ。

【トマトソースパスタ】

・ヴォーノ・イタリアのトマトソースパスタ
ピッツァはここで終え、次はパスタの定番2品をジャッジ。まずはパスタの味がいちばん良く分かるトマトソースのパスタ『ポモドーロ』を注文することに。ソースの味はトマトとオリーブオイルをちょっと混ぜたような味で、パスタは生パスタを使用しているのでモッチリ感がある。

非常に素朴なお味なので塩味がもう少し欲しかったし、オイルとトマトソースが分離していたことも気になる。ゆで汁を加えて少しソースを煮詰め、きちんと混ぜればより美味しくなると思うが、たくさん種類を食べてもらえるようパスタの量が1人前の半分程度で出されるのはポイントが高い。

・ピザハット・ナチュラルのトマトソースパスタ

ピザハット・ナチュラルのトマトソースパスタは、『にんにくとトマトのスパゲッティ』。コレは正直に言って、マルゲリータと同じくかなり完璧な味である。にんにくや赤唐辛子の香りや旨味を十分に引き出したオリーブオイルと、しっかり煮詰めて丁度良い酸味に仕上げられたトマトソースは非常に美味しい。

基本中の基本であるトマトソースのスパゲッティの基本をすべておさえてあるので、まさにお手本のような美味しさ。家庭でも比較的簡単に作れる料理だからこそ、レストランでは完璧に仕上がったものが食べられるのはとても嬉しいことである。

【カルボナーラ】

・ヴォーノ・イタリアのカルボナーラ
次は女性に人気の高い「カルボナーラ」。ヴォーノ・イタリアのカルボナーラはなぜかベーコンの大きさがバラバラ。黒コショウも一応かかっているものの香りが飛んでおり、ソースも水分量が多くマイルドな味わいに仕上げていたので、お年寄りや子供でも食べやすいカルボナーラだと感じた。

・ピザハット・ナチュラルのカルボナーラ

ピザハット・ナチュラルのカルボナーラは、こちらもファミリーレストランのカルボナーラとしては合格点を余裕で超える美味しさ。熟成された旨味のあるベーコンと生クリームと卵黄がふんだんに使用されていることが分かるソースを、粗びきで香り高い黒コショウがまとめた一体感のあるカルボナーラだ。

以上のような評価となったが、その他にも美味しそうなメニューが盛りだくさん。次回は定番のメニュー以外にもサイドディッシュやデザートを含め、試食してみたいと思うぞ!

Report:なかの
Photo:Rocketnews24.

▼ヴォーノ・イタリアのマルゲリータ
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▼ピザハット・ナチュラルのマルゲリータ
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▼ヴォーノ・イタリアのキノコピッツァ
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▼ピザハット・ナチュラルのキノコピッツァ
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▼ヴォーノ・イタリアのトマトソースパスタ
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▼ピザハット・ナチュラルのトマトソースパスタ
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▼ヴォーノ・イタリアのカルボナーラ
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▼ピザハット・ナチュラルのカルボナーラ
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