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太古から人類の文明を育んできた黄河流れる中国山東省。この川で獲れるコイは「黄河鯉」と呼ばれ、そのコイを甘酢あんかけにした料理は地元の名物である。しかし、最近、水質汚染や乱獲のために数が減少しているそうだ。

そんな状況に心を痛めた市民有志が、コイの数を増やすためにコイ800匹あまりを放流したそうだ。すると……なんと下流に網やサオを持った50人以上の市民が殺到! せっかく放したコイを獲りつくしてしまったというのだ。

事件が起きたのは2013年12月18日のこと。20人あまりの有志が自腹でコイ約1000キログラム、800匹あまりを購入し、黄河に放流した。コイは小さいものでも20センチ、大きいものだと40センチの立派なものだったという。

これだけなら、心温まる話だったのだが、この日、黄河に来ていたのは彼らだけではなかった。放流地点から約100m下流に市民50人以上が殺到していたのだ。そう、放流されたばかりのコイを捕獲するためにスタンバってたのである!

彼らは、クルマで乗りつけ、手にサオやら網をもって思い思いにコイを捕獲している。中には漁網を用意するという本格派までいるではないか。事前に情報を知っていたとしか思えないほどの周到さだ。

それにしても、コイから見ると、どこかから連れてこられ、知らない河に放流、さらに放流後、マッハで捕獲されるという災難に遭ってしまったことになる。殺到した市民により、放流されたコイは、文字通り一網打尽。数匹も残らず、ほぼ全滅してしまったのだという。

参照元:四海新聞中国水産養殖網(中国語)
執筆:沢井メグ
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▼コイを放流する有志グループ
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▼しかし、下流には50人以上の市民が殺到していた!!
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▼完全に漁である
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