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世界の機内食をご紹介する『世界の機内食』シリーズ。今回は成田空港からホノルルまで飛行している日本航空(JAL)のビジネスクラス用機内食をご紹介したいと思う。

・有名シェフがガチで監修した機内食

JALの国際線ビジネスクラスでは有名シェフ監修の機内食が提供されている。JALのいう「監修シェフ」とは、名前だけやレシピを提供しただけ、というものではない。工場に何度も足を運び、ガチで開発に携わっているというのだ。

・コース料理のような1膳

今回、ご紹介するのは2013年12月現在、JAL成田空港発ホノルル線では、麻布十番に創作料理店を構える山田チカラ シェフ監修の機内食が提供されている。

冷製メニューは、鰤のエスカベッシュ、鱈のブランダード赤ピーマン添え、サツマイモのサラダ、白菜とベーコンのミルフィユ、手づくりロースハムのサラダ、カブの冷製スープ。温かいメインディッシュは、国産牛ヒレステーキ マスタードソース。そしてパン、デザート。

・素材の美味しさを引き出す控えめな味付け

これらの豊富なメニューに共通して言えるのは、素材の美味しさを引き出す控えめな味付けであるということだ。

たとえば、サツマイモのサラダは「サラダ」と銘打ってはいるが、サツマイモの甘さをしっかりと感じることができ、まるでデザートのよう。白菜とベーコンのミルフィユもベーコンの塩分は強くなく、白菜の甘さとシャキっとした食感を引き出すための良いアクセントになっている。

水分が多めで瑞々しく優しい味付けの食事は、乾燥した機内での一服の清涼剤になるだろう。お腹が満たされるだけでなく、長旅の癒しになりそうだ。

・多くの人が携わり提供される1食

実は、これはJALの機内食工場に潜入した際に、実際に機内で提供されているものを試食したものである。聞けば、外部のシェフのガチ監修メニューは、シェフと機内食工場で何度も試作と試食が繰り返され、開発に3~4カ月かかることもあるそうだ。季節ごとにメニューが変わるので、この工程を4シーズン分行うことになる。

さらに、この日、工場には食器の洗浄や食材の管理など、もろもろ含めて200人のスタッフが出勤していたという。この1食のために多くの人が携わっていることがわかる。

・いわゆる「機内サービス」以上のサービス

機内食のコストについては教えてもらえなかったが、参考までにと調べてみたところ、山田チカラ シェフのお店でのコース料理のお値段は1万5000円だそうだ。地上のレストランと機内食は条件が異なるので、もちろん単純比較はできない。

だが、それも含め開発から提供までの時間と手間を考えると、いわゆる「機内サービス」以上の力の入れようではないだろうか?

区間 成田国際空港(日本) → ホノルル国際空港
会社 日本航空(JAL)

Report:沢井メグ
Photo:RocketNews24.

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▼鰤のエスカベッシュ
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▼白菜とベーコンのミルフィユ、あっさりしていて旅の疲れを癒してくれる
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▼鱈のブランダード赤ピーマン添え、なめらかな食感が最高だ
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▼サツマイモのサラダ、サツマイモそのものの味を引き立てる味付け
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▼手づくりロースハムのサラダ
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▼シャキシャキ野菜!
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▼こちらが国産牛ヒレステーキ マスタードソース
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