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2013年11月8日~10日の日程で台湾で行われた、野球日本代表vs台湾代表の強化試合。小久保裕紀監督が率いる「新生・侍ジャパン」は、その初陣を3連勝で飾った。

試合の内容も白熱するものだったが、いまインターネット上では、一部の日本の放送局で放送されなかったという「あるシーン」が感動的だったと話題になっている。それは、東日本大震災の際に救助活動にあたった台湾レスキュー隊の始球式と、試合後に日本代表がかかげた横断幕だ。

・台湾のレスキュー隊の始球式

日台戦最終日11月10日、台北市天母球場で行なわれた第3試合の始球式を担当したのは台北市レスキュー隊のメンバーだ。台北市レスキュー隊は2011年に発生した東日本大震災の際にいち早く支援を申し出、来日後は全力で救助にあたってくれた姿を記憶している人も多いだろう。

始球式には実際にその救助に携わった隊員が登場。代表して劉奎佑(りゅう・けいゆう)分隊長がマウンドに立ち、見事にノーバウンドで投げきったそうだ。そして、小久保監督らが直接「感謝の意」として記念ボールを贈呈した。

・試合後の “感謝台湾” 横断幕

そして同日、見事に3連勝を収め、興奮収まらない試合直後、日本チームは監督、選手、コーチ陣全員がグラウンドに立ち、横断幕を掲げて改めて台湾に感謝の意を示している。

横断幕にはこう書かれていた。「私達は心から台湾のみなさんに感謝しています。東日本大震災のときの支援を日本は永遠に忘れません」なお、横断幕は、第1、2試合が行なわれた新北市の新荘球場でも、2日目の試合終了後に掲げられていた。

・台湾メディアも絶賛「両チームは共にスポーツマンシップを体現した」

この試合について台湾メディアは「もっとも感動したのは試合の勝敗ではない、両チームが見せたスポーツマンシップだ」と絶賛。

さらに、「侍ジャパンは、勝利の喜びにひたることなく、全員がタッチしたあと、“感謝台湾”の横断幕をかかげて球場を一周した。これに台湾野球ファンも熱く拍手をした」と報じている。また台湾チームもマウンドに集合し、ファンに対して深々とお辞儀をした。

・11月15日からは台湾でアジアシリーズ開幕

心温まる一幕を見せてくれた今回の強化試合。国際試合となると、どうしても勝ち負けにこだわってしまうが、彼らは本物のスポーツマンシップを見せてくれたのではないだろうか? 

なお、11月15日からは同じく台湾で、野球のアジア一のチームを決めるアジアシリーズが開幕する。日本からは日本シリーズを制した東北楽天ゴールデンイーグルスが出場予定だ。今度はどんな試合を見せてくれるのか楽しみである!

参照元: YouTube東森新聞Apple Daily(中国語)
執筆:沢井メグ

▼11月10日に行われた台北市レスキュー隊による始球式の様子

▼11月10日のハイライト、横断幕のシーンは1:45~