22

日本がほこる国民的お菓子といえば「ポッキー」だ。おそらく誰もが一度は食べたことがあるだろう。お菓子=ポッキーと連想する人も多いのではないだろうか。日本の国民的お菓子、それがポッキー……といっても過言ではない。

さて、そんなポッキーに記念日があることをご存知だろうか? 実は今日、11月11日は『ポッキー&プリッツの日』なのである! ということで、そんな祝うべき『ポッキー&プリッツの日』を、マサイ族の人たちと一緒にお祝いしてきたぞ!

・初ポッキーの感動をマサイの人に味わって欲しい

ちなみに、一体なぜマサイ族にポッキーを食べて欲しいのかというと……「ほぼ確実にポッキーを食べたことがないであろう」からである。ポッキーを初めて食す感動を、あの触感を、あの味を……味わって欲しいのである。

はたしてマサイ族のひとたちは、人生初のポッキー体験に、どのような反応を示すのであろうか。「美味い」と感じるのだろうか。気になる。すっげー気になる。願わくば、日本のお菓子ポッキーを「美味い!」と感じて欲しいのだ。

・場所はケニアの「アンボセリ」

場所はアフリカ、ケニアの奥地。タンザニアとの国境あたりに、「アンボセリ」というエリアがある。ここがマサイ族のホームグラウンドだ。首都ナイロビから乗用車でガタゴト道を約5時間……。まだか、まだかアンボセリ!

アンボセリ近くになると、アスファルトの道は消え、完全に「オフロード」といった道になる。穴ぼこだらけのオフロード。そしてまわりに家はない。遠くの方にはキリンが見える。すごい、これがマサイエリアか……。

……と、その時!

突然、ダチョウの卵らしきモノを抱えたマサイ族の少年が「おーい!」と手を振っている。なんだなんだと近づいてみると、「もしもペットボトルの水が余ってたらちょうだい」とお願いしてきた。そうか、水が貴重なのか!

・ポッキーもあげた

水と一緒に、ポッキーも差し出してみると「なにこれ?」といった表情をしている。お手本とばかりに私がポッキーを食べてみると、マサイの彼も、おそるおそるポッキーを食べ始めた。おお! どう? おいしい?

しかし、マサイの彼は実にシャイで、コクリコクリと頷くのみ。「うまい?」と聞いても「……うん」的な頷きをするだけであった。そして、彼は「バイバーイ」と手を降って、草原のなかに消えていった……。

・歓迎してくれたマサイ族

それからしばらくオフロードを突き進むと、やっとこさマサイの村に辿り着いた。「ジャンボ!」と挨拶をすると、快く出迎えてくれた。しかも、いきなりの「歓迎のダンス」つきである。さらにさらに!

英語の達者なマサイ族の若頭が「君もダンスに参加しなさい」と言った後、彼は私の一眼レフカメラとリュックサックを持ってくれ、さらに私の一眼レフで私をパシャパシャと撮影し始めたのである!

操作の説明もしていないのに、彼の撮った写真は完璧であった。すごい、すごいぞマサイ族! カメラマンもこなすのだ! 一眼レフのデジカメも、軽く使いこなすデジタル・センスを持っているのだ!

・ポッキー食べてみませんか? マサイ族「もちろん!」

そんなデジタリアンなマサイの彼に、「日本で最もメジャーなお菓子、ポッキーを持ってきたので一緒に食べてみませんか?」と話してみると、「もちろんだよ!」と即承諾。

「おーい、これ食べてみろよー!」と、彼がまず呼んだのは、“見た目は屈強だが実はスイーツ好き” な雰囲気もする、マサイのファイター的な男だった。……と、ここで予想外の「食べ方」を目にすることに。

・ワイルドすぎる食べ方

まず、屈強スイーツ風のマサイ族は、ポッキーの箱のなかに入っているビニール袋を、ワイルドに歯で噛みちぎった。そして、ポッキーを1本抜き出すと、そのまま「枝に付いている果実を食べる」がごとく、「骨についた肉をかじるように」食べ始めたのである!

これがマサイ式のポッキーの食い方か……と、しばし感心。しかし、どうにもこうにも食べにくそうだったので、「こうやって持てばいいんだよ」と、正しい持ち方を教えてみると「おお! なるほど!」と、すぐに納得。

そして「ポリポリポリ」……と、実にイイ表情をしながら、深く、深〜く味わっていたのであった。「おいしい?」と聞いてみると、「ウン」「うまいよ」的な返事が返ってきた。なんだか楽しんでもらえたようで、こっちも嬉しい。

・マサイ族「美味いよ」

その後も、「もしかしたらこの人はスイーツ好きかも」的な雰囲気がにじみ出ているマサイ族の若者たちに、次から次へと食べてもらった。「うまい?」と聞くと、みな一様に「ウン、ウン」とイイ表情。

英語の達者なマサイ族の若頭いわく「彼は美味いと言ってるよ」とのことであった。よかった、やっぱりポッキーは美味いんだ! ちなみに、「ポッキーのチョコだけ先に舐める」という人が多かった。これが正式な「マサイ式」なのかも知れない。

・ポッキーシューターを渡したら歌を歌ってくれた!

なお、その後、感謝のしるしとしてポッキー型の風船「ポッキーシューター」もプレンゼントしてみた。「なんだこれ(笑)」と彼らは笑っていたが、ポンポンポンと楽しそうに音を鳴らしていた。

そして、そんなポッキーシューターを手にした彼らは、「ありがとう。お礼に歌を歌わせてもらう」と言ったのち、静かな歌を歌い始めたのであった。「アンヤー♪ アンヤー♪」……。何を意味しているのかは分からないが、心にしみる歌声であった。

いろいろありがとうマサイ族。アサンテ・マサイ(ありがとうマサイ族)。クワヘリ・マサイ(さようならマサイ族)!

参考リンク:11月11日 今日はポッキー&プリッツの日
Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]

▼動画「マサイ族ポッキー初体験ドキュメント」

▼日本から持参したポッキーを持って……
01
▼一路、アンボセリへ!
02
▼ケニア人ドライバー「ポッキーうまいよ」
03
▼とにかく道のりはワイルドだ
04
▼動物だらけのケニアである
05
▼つむじ風も多かった
06
▼お、あれは……マサイ族!
07
▼普通の道からキリンも見えた!
08-2
▼道路を横断する牛の行列は、待つしか無い
08
▼そんなこんなでアンボセリエリアに入ると……
09
▼さっそくマサイ族の少年が声をかけてきたぞ!
10
▼衣装を着ていないマサイ族もいる
11
▼この数時間後……彼らとは、再び会うことになる
12
▼ここがマサイ族の集落だ!
13
▼正真正銘、マサイの村だ!
14
▼これがマサイ族の「ジャンプ」である! すげえ!
15
▼そしていよいよ、住居エリアへ……
16
▼かわいい!
17
▼こちらはマサイ族の学校。英語を教えていた
18
▼ポッキーを配る英語の先生
19
▼ちなみに学校の写真は、すべてマサイ族の若頭による撮影である
20
▼いよいよ大人のマサイ族が、ポッキー初体験!
21
▼食べ方に注目! チョコをすべて舐めている!
22
▼マサイ族とポッキーの赤はよく似合う
23
▼「うまいよ」
24
▼彼が英語が達者な若頭
25
▼おしゃれっ子は4本ポッキー同時食いだ!
26
▼なぜか異常にマッチしてる
27
▼歌をうたってくれた。詳しくは動画を参照!
28
▼ドライバーは「マサイの武器を買った! すごいよこれ!!」と大喜び
29
▼そして、ナイロビへ帰ろうとしていたとき……
30
▼再び、あの少年・少女たちが現れた! 水ではなく、「ポッキーちょうだい」と言っていた!!
31
▼ポッキーシューターもプレゼントした!
32
▼ありがとう! じゃあねー!
33
▼また来てねー! とばかりに、見送ってくれた!
40
▼しばらく遠ざかってから振り向くと……
34
▼「バイバーイ!」
35
▼「また来いよー!」……と私には聞こえた!
37
▼「また来てねー!」……との声を、私の心は感じ取った!
36
▼拡大したら、いい顔してる!
38
▼また来るよ! アサンテ・マサイ! クワヘリ・マサイ!
39
▼動画「マサイ族ポッキー初体験ドキュメント」

[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]