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おしゃれな空間で美味しいコーヒーを楽しめる「スターバックス」。アメリカ生まれのスターバックスは1996年に日本に北米地区以外で初の店舗をオープン。以来、各国に進出し、展開している国は30カ国以上にものぼるという。

そして、現在最も力を入れていると言われる市場が中国だ。中国でも都市部を中心に人気を博しているが、「中国スターバックスは暴利をむさぼっている」と中国メディアが指摘し、話題となっている。

・日本やアメリカより高い中国のスターバックス

中国大陸に展開するスターバックスの商品の価格は、日本やアメリカより高い。たとえば、中国でスターバックスラテのショートサイズは1杯27元(約430円)。アメリカだと、店舗によって異なるが大体2.75ドル(約270円)で同じものが買えるそうだ。中国価格は、なんとアメリカの1.6倍なのだ! 

ちなみに日本の場合は320円。物価も人件費も中国の方が安いはずなのに、スタバの商品は中国の方が高いのである。

・中国スタバは利益率が世界最高

商品価格に反映されているのは、「運営コスト」と「原材料費」である。中国メディアは、この2項目について中国がアメリカより高くなるはずがないとしている。

現に、中国のスターバックスの利益率はアメリカのスターバックスを超えているそうだ。またヨーロッパと比較すると利益率は16倍にもなり、世界最高とのことである。

同じコストでもより高く売ることができる。その点で中国メディアは「暴利をむさぼる」「ぼったくり」と指摘しているのだ。では、一体何のために商品価格をつり上げているのだろう?

・専門家「ブランディングのためにわざと価格を上げている」

企業ブランディングの専門家は、その理由を「ブランド化のためにあえて価格を上げている」と指摘している。価格を高く設定し、ブランド力を強化することで、客に「スタバに行く自分は品がある」、「ほかの人とは違う」という満足感を与えているというのだ。

・「ぼったくり」と思わせない付加価値

おそらくコストと商品価格だけを見ると「ぼったくり」と言いたくなる数字だろう。だが、中国スタバには客に「高い」と思わせない秘密があるようだ。

たとえば上海のスターバックスには「コーヒー教室」というサービスがある。3~4人で店に行くと、そのグループにコーヒーの講師をつけてくれるのだ。講師はコーヒーについてどんなことも教えてくれる。

客は自分好みのコーヒーを知ることができるだけでなく、スターバックスが掲げる「コーヒー文化」を体験することもできる。客はサービスに満足し、この「スタバ文化」が高いコーヒーの価格を「適正である」と思わせる理由になるのである。

これらの「付加価値」が、物価が安いといわれる中国で、アメリカや日本より高い商品価格で成功している理由なのだろう。なお、報道によると、中国におけるスターバックスの事業は好調で2013年内に1000店舗に達すると見られているそうだ。

参照元:中国広播網CRI(中国語)、CNN
執筆:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.

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