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スーパーやコンビニでよく見かける、『雪印チーズ』。さけるチーズはお酒のオツマミにもなるし、ゴーダチーズやクリームチーズは料理の材料としても大活躍。

雪印チーズにはあまり高級なイメージはないが、11月1日からはじまる「雪印北海道100 北海道100%チーズフェスティバルキャンペーン」で、高級食材を低価格で食べられる人気レストラン『俺のイタリアン』シェフが雪印チーズを使って作った『極上チーズピッツァ』を自宅に届けてくれるイベントが抽選で4組に当たるらしい。

・試食会が開催されるので行ってみた

むむっ、それはピッツァ好きなら絶対食べてみたい! ということで、東京で開催される試食会に行き、実際に当選したら自宅まで窯を持ってきて焼いてくれるピッツァを食べてみることにした。

・どれも美味しそうだが……。

会場には、定番のマルゲリータから高級食材がたっぷり乗ったピッツァまで、当選したら食べられるピッツァがズラリ。どれも美味しそうだが、今回試食できるのは『ビスマルク』、『魚介のピッツァ』、『エゾシカのピッツァ』の3種類。こ、これはッ……!!

・チーズの美味しさがよくわかるマルゲリータが無いなんて……。

『極上チーズピッツァ』と言っているのに、チーズの美味しさがよくわかるマルゲリータが無いなんて……。正直ガッカリだが、他3種類が美味しければオッケーである。

・これは『極上チーズピッツァ』ではない

3つ食べた感想は、すべてにおいて「これは極上チーズピッツァではない」というイメージを持った。確かにチーズ以外の具材であるトリュフソースやボタンエビ、エゾシカなどの食材は極上かもしれないが、チーズを極上だと思わせるピッツァでは決してない。

・しいて言うなら『雪印チーズを使った高級食材ピッツァ』

これをピッツァファンとして名づけるなら、『雪印チーズを使った高級食材ピッツァ』である。極上という名を付けるなら、単純に高級食材を使うだけでなく、生地についてもこだわるべきではないだろうか。

・生地の焼き具合にも疑問が

生地の焼き具合が分かる写真を、熊本県が誇るピッツァの名店『イルフォルノドーロ』の店主・原田さんに見せたところ、以下のようなコメントが返ってきた。

「このような状態になる原因は2種類あります。発酵しすぎか発酵が足りてない場合に起こります。発酵し過ぎの時のこれは意外に生地がいい感じに味が出ておいしいのですが、未発酵の時のこれは食感も悪いし耳も硬くて重くなります」

原田さんの指摘のように、確かに焦げの部分が魚の目のようにポツポツとあるのだが、ほかの部分は白い感じで焼き具合にかなりムラがあった。また、生地の裏面が焦げすぎていて苦味がかなり出ており、そこについても改善の余地があるかもしれない。

・チーズの美味しさアピールにはあまりなっていない

総評としては、チーズの美味しさをアピールするというよりも贅沢なピッツァを家まで届けてくれる体験ができるだけの、正直誰得なキャンペーンになっていると感じた。高級食材がふんだんに使われているためその良さがかき消されているのである。

・コラボする相手がそもそも間違っている

もし「雪印チーズの良さを極限まで活かしたピッツァ」を自宅に届けるイベントを開催したいなら、高級食材が得意なレストランではなく、催事などイベントで高い評価を得ているピッツェリアに頼むべきである。

・ピッツァならピッツェリアとコラボしたほうが良い

たとえば愛知県にあるナポリピッツァ世界一の職人・牧島さんのお店『ソロピッツァナポレターナ』などは、どの展示会でも持ち運びが可能な電気窯で数百枚から千枚単位で美味しいピッツァを提供している実績もあり、チーズの扱いやイベントでのピッツァ作りについてもより優れているはずだ。

・もっと雪印チーズの良さを活かした企画を

当選者は高級食材が食べられて満足かもしれないが、せっかくキャンペーンを大々的に行うなら、雪印チーズの良さも分かるものにしないとやり損である。せっかくそのまま食べても美味しいのだから、次回はチーズの良さをより訴求できる内容にしてもらえると嬉しいかもしれない!

参考リンク:雪印(PDF)
Report:なかの

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