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南の楽園、石垣島の特産といえば果物だ。太陽の恵みを一杯に浴びて育ったパイナップルやマンゴーは、格別のウマさだ。野菜もまた、果物に負けないくらいおいしいものがたくさんある。

・未開の料理「ゴーヤ麺の冷やし中華」
石垣島を代表する果物パイナップルと、沖縄を代表する野菜のゴーヤが一緒になったら、一体どんな素晴らしい味になるのだろうか? この夢のコラボを実現した料理が存在した! 石垣市の沖縄 × 中華居酒屋「北京龍(ペキンドラゴン)」で、その未開の料理「ゴーヤ麺の冷やし中華」を味わうことができる。

・中華と沖縄料理の融合
お店は石垣島でもっとも繁華な界隈、美崎町にある。表向きではちょっとわからないが店内は広く、地元の人が多く利用しているという。宴会利用も多いようで、記者(私)が訪ねたときには奥の席で誕生日のお祝いをしていて、楽しそうな声が聞こえてきた。

店名からして、中華料理屋のイメージが強い。しかしメニューはバラエティに富んでおり、中華料理はもちろんのこと沖縄の定番料理、さらには両方の料理を融合させたものも存在する。たとえば、お店の人気メニュー「アーサーあんかけチャーハン」は融合創作料理の代表格だ。

・アーサーあんかけチャーハン
強い火力でパラパラに炒めたチャーハンに、沖縄特産のアーサー(アオサ)を使ったあんがたっぷりと乗っている。石垣近海でとれたアーサーは風味豊かで、かすかに潮の香りがする。これを米粒一つひとつにまでしっかりと火が入ったチャーハンと合わせると、パラパラ + ふわふわの絶妙な食感に仕上がる。イメージとしては、天津チャーハンの食感に磯の香りと海苔の旨みが重なり合った状態だ。たとえ空腹でなくても、食べ始めるとおいしさがクセになって、スプーンを止めることができなくなる。

・パパパパパインにインスパイアされる
そしてここからが本題だ。ゴーヤ麺の冷やし中華、正式名称を「ミドレンジャー」という。このメニューが誕生したきっかけは、実は意外なところにある。以前から繰り返し紹介している東京・西荻窪のラーメン店「パパパパパイン」にこの料理のヒントを得たそうだ。

・ゴーヤのトゲトゲしさが全然ない
特産品のパイナップル、そしてゴーヤをひとつにして、この斬新メニューが完成したのである。特製のゴーヤ麺を使い、スープにゴーヤとパイナップルを使用。苦味と甘味を一度に味わえる逸品に仕上がっている。実際に食べてみると、一言で「さわやか」だ。ゴーヤの強烈な苦味を感じるかと思いきや、トゲトゲしさは全然感じられない。

・深い甘さ、キレのある苦味
何より記者が驚いたのは、アクの強い二つの食材を使っているのに、まったくえぐ味(しゅうれん味とも呼ばれる)がない。これはおそらく、新鮮なパイナップルとゴーヤを使っているためではないだろうか。パイナップルの甘味には深さがあり、甘いだけではなくコクにも似た奥深さが感じられた。そしてゴーヤの苦味にはキレがある。さわやかと感じさせるのは、このキレある苦味が働いたからではないだろうか。

・島の風土を凝縮
深い甘さとキレのある苦味が、清涼感をともなったウマさを演出している。ありそうでなかった麺料理が、島の特産品によって誕生した。今夏、石垣島を訪れる予定の方は一度試して頂きたい。島の風土が凝縮された逸品であると理解できるはずである。

・今回訪問した店舗の情報
店名: 北京龍(ペキンドラゴン)
住所: 沖縄県石垣市美崎町9-12
営業時間: 17:00~25:00(ラストオーダー24:00)
定休日: 木曜日

Report:ほぼ津田さん

▼ピリ辛きゅうり。野菜がウマい。水分を豊富に貯えていて、噛むとジュワッと水分がほとばしる
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▼海ぶどうは本土で食べるものと違って、粒がしっかり。プチプチ感が堪らん!
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▼日中の猛暑に耐えて飲むオリオンビールは格別
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▼焼き餃子、中華も売りにしているだけあって美味。モッチリとした皮の感触がクセになる
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▼刺身は鮮度が高いためか、切り目が輝いて見える
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▼いずれも脂がのっておいしいのだが、セーイカ(ソデイカ)には驚いた。モチモチとしていて、ねっとりとした旨みを感じる
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▼こちらが人気メニューの「アーサーあんかけチャーハン」
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▼パラりとしたチャーハンと、風味豊かなアーサーのコンビネーションが絶妙
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▼そしてこれが、「ゴーヤ麺の冷やし中華(ミドレンジャー)」
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▼深い甘味とキレのある苦味。特製ゴーヤ麺をスープに絡ませて頂くと、さわやかなのど越し
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