中国で「日本人」と「尖閣諸島」をめぐるニュースが注目されている。複数の中国メディアが「日本人男性を捕まえたら “尖閣諸島は中国のもの” と叫んだ」と報じ、男性のものと見られる免許証なども公開しているのだ。

なんでも、無免許運転をしていた男性を警察が職務質問したところ、男性は日本人である身分を明かし「尖閣諸島は中国のもの!」と叫んだというのである。このニュースと免許証の画像は中国のインターネット上に拡散している。

・日本の免許証所持の男性が中国で自動車を運転
中国・河南省鄭州市。事件は中国版ツイッターこと「Weibo」のつぶやきから発覚した。とあるネットユーザーが投稿したつぶやきは以下の通りだ。

「昨日、(警察官の)友達が日本の免許証で運転をしている日本人を見つけたそうだ。中国での運転には中国の免許証が必要だって言ったら、『尖閣諸島は中国のもの!』って叫んだらしい。でも交通警察は笑いながら『東京が中国のものだって言ってもムダですよ』と言ったらしいよ」

・中国での運転には中国の免許証が必要
ハワイやグアムなどでは条件つきで日本の免許証で車を運転することができる。しかし、中国で運転をする場合は、中国の免許証が必要だ。それは交通警察の指摘の通りである。

・罪を逃れるために「尖閣諸島は中国のもの」と叫んだ?
いくら日本の免許証を持っていても中国国内で有効な免許証を持っていなければ、男性は無免許運転だ。そして警察から指摘を受けた際、男性は罪を逃れるために「尖閣諸島は中国のもの」と叫んだと見られている。

警察に問い詰められて日本人が「尖閣諸島は中国のもの」と叫んだ、つまり日本人が保身のために売国ともとれる発言をしたとして Weibo上では話題となっていた。

・免許証と身分証をさらす
その男性が日本人である証拠として、中国メディアは男性のものと見られる免許証の画像を掲載。住所と免許証番号の一部は隠されていたが、氏名、生年月日、本籍、顔写真がバッチリと映っている。免許証とは別に男性の身分証も掲載された。外国人登録証明書である。

・中国ネットユーザーから「本当に日本人?」とツッコミ
外国人登録とは日本に連続90日以上滞在する外国人に対して義務付けられている登録制度のこと。外国人登録証明書はその証明書だ。つまり男性は外国籍ということになる。

外国人登録証明書によると男性は中国籍。永住者の配偶者等という在留資格で日本に滞在していたようだ。確かによく見ると免許証の本籍地にも中国、日本名も通名であることが書かれていた。それに気づいた中国ネットユーザーからは「本当に日本人?」、「国籍で言うと中国人なのでは?」と多くのツッコミが入っていた。

・メディアが訂正
それを受け、報道があった翌日、多くの中国メディアは「男性は中国籍だった」と Weibo上で訂正文を公開している。しかし、男性の国籍については画像を見れば専門家でなくともわかりそうなことだ。

なぜ中国メディアは男性のことを「日本人」と報じたのだろうか? その理由として、男性が警察に対し「自分は日本人だ」と話していたことがあげられているが……。なお、男性には罰金300元(約4700円)が科せられたとのことである。

参照元: Sina Weibo

▼こちらが拡散した中国メディアのWeiboだ
2013-08-08_161912b※ぼかしは当編集部によるもの