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ガラス工芸品のひとつとして知られる「切子(きりこ)」。カットガラスに赤、青、黒など、鮮やかな着色がほどこされたコップなどを見たことがある人も多いだろう。目に涼やかなたたずまいは、夏にピッタリのアイテムと言える。

切子というと江戸切子が有名だが、今回は薩摩切子をご紹介したい。記者(私)が伺ったのは観光地として有名な仙巌園のすぐそばに位置する鹿児島市吉野町の「磯工芸館」だ。こちらは薩摩切子の工房が隣接しており、実際に切子が作られる過程を見学することもできるぞ!

・透明感あふれる涼しげな切子
磯工芸館に一歩足を踏み入れると、ズラリと展示された切子が目に飛び込んできた。酒グラス、お皿、花瓶、照明などなど……色とりどりの繊細で涼しげなガラス製品で埋め尽くされた館内は、夏の暑さも忘れさせてくれる。

実際に切子を手にとって眺めてみるとまず、ていねいな細工の技術にハッとさせられる。そして、鮮やかで趣深い色づけには、ただただため息が漏れるばかりだ。

・薩摩切子の特徴は「ぼかし」の技法
磯工芸館の職員さんによると、薩摩切子の特徴は2枚のガラスを使って作られることだという。内側に透明のガラス、外側に色ガラスを重ねて削っていくことで色に「ぼかし」を出せるそうだ。ガラスを2枚使うため、ある程度の厚みがある。

また、2001年からはオリジナル商品として、透明ガラスに1枚ずつ2色のガラスをきせる「2色ぎせ」という技法が使われた創作品も発売されている。たとえば、赤と青のガラスを着せた場合、カットの角度や深さを調整することで、赤、青、紫の3色の淡いグラデーションをだせるのだ。

「切子グラスは欲しいけれど、正直お値段的に手が出ない」という人も少なくないのでは? かくいう記者もそのうちの一人だ。しかし、磯工芸館ではそんな人向けに、箸置きやリングホルダーなどお手軽なガラス細工も用意している親切ぶりなのである! 興味がある人は、鹿児島旅行の際に足を運んでみてはいかがだろう?

参考リンク:磯工芸館
Report:黒井

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▼隣接する工房では薩摩切子の製作過程が見学できる